2010年05月25日

ASEAN地域の発展と日本の今後

メコン回廊プロジェクト

ご存知の通り、「タイ」や「ミャンマー」などの東南アジア諸国は宝石業界にとって重要な国々であり、魅力的な様々な宝石・ルース等を提供してくれる国々です。

タイ・ミャンマーの他、ベトナム・ラオス・カンボジア等のインフラ整備が活発化しており、年々インフラ投資の割合は高まっています。

それまで貧弱だった、物資を輸送する物流網の発達を促進するため、「東西回廊プロジェクト」が計画・実行されました。
メコン回廊.jpg「メコン回廊」



メコン川流域に位置するこの国々を結ぶ、壮大な幹線道路プロジェクトであり、この地域の物流・輸送が激変します。

「ベトナムのダヤン」からタイを横断し「ミャンマーのモーラメイン」まで結びます。

そして日本はこのプロジェクトに多大な資金援助をしているのです。
(平成18年に設立した「日本ASEAN統合基金」から2000万ドルを無償で供与!)

また、「ベトナムのホーチミン」からプノンペンを経てバンコクまでつなぐ「第二東西回廊」も開通し、 「第二メコン国際橋」は日本のODAにより建設されました。
第二メコン国際橋.jpg「第二メコン国際橋」



「東西回廊」によりベトナムの東側のダヤンからタイのバンコクまで高速道路網ができ、産業物資等の物流事情は激変し、インドシナ半島の大きな発展につながることと思います。



さらに注目すべきなのは、もうひとつのプロジェクト「南北回廊」です。
これは中国南部の雲南省とバンコクを結ぶ壮大なプロジェクトです。

中国が資金援助し、全長約2000キロにも及ぶ計画で、2011年に全てが完成する予定だそうです。

この物流網の発展により、宝石業界を含めた様々な産業にどのような影響が現れるのか。今後も目が離せないでしょう。
特に中国を結ぶ、この「南北回廊」が重要な意味を持つような気がします。

日本と中国がこの地域に積極的に関与し、それぞれの重要なイニシアチブを握るのでしょうが、大陸がつながっている中国にある意味での分がある部分があるのも事実だと思います。

この「メコン回廊地域」に中国製品が溢れるのは必至でしょうし、この地域の低賃金(カンボジア、ラオスはタイの5分の1の水準です)を企業活用することなどからくる経済全体の流れ。宝石・貴金属等の流通もどうなって行くのか。
それに及んで日本がどのような産業的流通経路を確保し、どのようにイニシアチブを握ってゆくのか。

日本の企業にとっても、物流網が確保された低賃金の地域での工場建設等のメリットは大きいでしょうね。

今までインドシナ半島の地域とのみ行われていたような産業取引も、今後は中国も交えた取引も活発に行われるようになるかも知れません。
その行動・経済活動は鬼が出るのか蛇が出るのか・・・。

新たなビジネスチャンスも訪れるでしょうし、宝石業界への影響も小さくはないでしょう。


ちなみに政治不安のある「タイ」ですが、ある企業で出向している知人によると、日本では騒がれている都心部や空港などでのデモや治安部隊との衝突なども、現地の人々の間ではさほど話題にはならない日常的なものなのだそうです!(本当かな?)

日本が平和ボケ過ぎるのか?、タイが麻痺しすぎているのか?
うーん、どっちもどっちなんでしょうね!
posted by マーキス at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月16日

憂う脆弱国家 「アフリカ大陸」

「宝石と貴金属の国」 の貧困と格差


アフリカ大陸内の各国々は、GDPの経済成長率の平均が5%を超える国が増え、インフレ率も低下するなど、全体としては良い経済状況に向かっているとも言えますが、まだまだ極めて貧しく非常に深刻な貧困問題を抱えています。

世界銀行の「脆弱国家」に指定されている国が大半を占めており、そのうち3ヵ年間以上指定されている「脆弱国家」は15ヵ国に上ります。

経済成長率が上がっているとはいえ、2002年より前のおよそ20年間の経済成長はまったくありませんでした。それ以降に急激に成長。

つまり、その20年間に人口は増え続けたのですから、1人あたりのGDPは2002年まで下がり続けていたのです。
そこから少々回復したところで、その貧困の度合いは「察して然るべし」です。

1日1ドル未満で生活する人の割合は、全体の「41%」にも上り(2004年データ)、飢餓率が35%を超える国が18カ国もあります。

近年の経済成長も脆弱と言わざるを得ない。
アフリカ各国々「自身」の内的要因での成長ではなく、他の国々からの外的要因だからです。

どの国の経済発展でも、もちろん外的要因はありますが、その国自体の様々な事柄の発展・成長が伴うものでなければ健全とはいえませんし、真の成長ではありません。

また、アフリカの経済成長は、資源価格の高騰と連動しています。
2002年から石油・金属等の資源も上がり続け、市場の意向が定着することにより、再び資源開発への気運が高まり、輸送インフラの不備から来る開発に掛かる高コストの懸念も吹き飛ばす勢いで、アフリカ大陸の資源開発に拍車が掛かっているようです。

これは「中国」が勢いを増し、中国の設備投資と輸入資源増大などの影響からも、さらに拍車が掛かったといえるのかも知れません。

中国主導による動きに、世界経済の大きな変化・シフトが起こったと見るべきなのでしょうか。

そしてこのことは、過剰開発・乱開発、及び違法採掘、緑の自然破壊、違法伐採等、世界の国々皆で憂慮し、監視して行かなければならないことです。

また、各国の中での生活格差も大きいですし、アフリカ諸国の各国同士の格差も広がっています。
資源が特に豊富な「南アフリカ」は、過去にはキャラミで「F1グランプリ」も開催されていたように、パワーを持った国のようです。
(もちろん、白人主導だったのですが)



アフリカの5歳未満の子供の死亡率は未だに驚異的に高く、衛生面の悪さも相変わらずで、HIVの感染率も集中しています。

日本を含めた先進国が、上下水道の整備と技術提供や医療施設の援助及び技術提供等、生活をする上での根本的な援助と彼ら自身が自らの力で自立できるよう、技術の提供と支援・指導を行わなければならないでしょう。


人間が生きて行く上で、「水」は何よりも大切です。綺麗な水がないと衛生も保てない。

また、工業技術・産業の発展にも「水」は絶対欠かせない相互関係があり、日本でも工場・工業地帯や、あるいは積極的に工場誘致しているような地域は「水」が豊富な地域のはずです。

工場を筆頭とする産業施設には、知らない人が想像する以上の莫大な量の水が必要であり、水の枯渇した地域の発展はあり得ない。


文字通りの泥水を啜っている彼らは、綺麗な水を汲み上げる技術も排水の技術も管理の仕方も知らない地域が多い。

産業を発展させるためには、この「水」と技術、資金・人材などが必要なのは当然ですが、管理技術も大変重要です。
それがなければ、せっかく造った施設も廻って行きません。最初だけ機能するだけで、すぐに放置されるようになるでしょう。

そのような事に慣れておらず、学校教育もままならない途上国の人達には技術を教えるだけでなく、「管理能力の教育」も絶対に必要不可欠な事柄のはずです。
根底からの支援が必要であり、非営利団体等のボランティアに近い活動だけでは限界があるでしょう。



アフリカの資源埋蔵量で世界に占める「ダイヤモンド」の割合は約60%、「プラチナ」は80%を超え90%に近い。
当然、ダイヤモンド産業の収益と依存度はとても大きい。

他の国々と同様、ダイヤや貴金属資源をはじめアフリカの恩恵を沢山受けている日本ですが、アフリカに対する援助貢献度の割合は過去に比べかなり減ってきています。
(かといって国力から見た割合ではけっして悪くはないのですが・・・。無償援助はたしかに少ないようです。)

また、世界の他の国々もそうですが、「デビアス」も各アフリカ諸国に対して、慈善寄付や政府と提携してのインフラ整備等の支援活動も行っています。

私達に大切な資源を大量に与えてくれるアフリカ諸国。
根底からの生活支援とそして何よりも大切なのが、「教養と教育」の支援です。




■※右サイドバーに「動画リンク」を追加してみました。
テーマはランダムに、何か見付けたら追加・ご紹介してみようと思います。
宜しかったら御覧下さい。
(もし、動画が削除されていたら御了承願いますとともに、ご指摘下さい。)
posted by マーキス at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月21日

戦い続ける「ダビデの星」 イスラエル

「イスラエルとデビアス」

中東の小国イスラエルは、国家設立以来ダイヤモンドの輸出及び研磨加工等により高い成長率を誇りながら発展してきました。

イスラエル経済を支える重要なダイヤモンドの輸出入に対し、関税を掛けないなどの優遇処置を施しながら産業の育成に努めてきたようです。

ダイヤモンド産業で急速に力をつけてきたイスラエルと、ダイヤの巨人「デビアス」は一時期対立をし、イスラエルはデビアスを通さない南アフリカからの直接の買い付け等の策を講じ、デビアスはイスラエルに対し原石割当量の削減等を行うなど、両者譲らずの深刻な争いとなったのです。

市場のコントロールが利かなくなり、イスラエルはダイヤモンド産業が急速に落ち込んだため、再びデビアスのコントロール下に置かれることとなります。

ちなみに、元々ユダヤ系であるオッペンハイマー家ですが、「サー・アーネスト・オッペンハイマー」は、ナミビアでの成功後ユダヤの信仰を捨て、英国国教会に改宗したと云われています。

(息子の「ハリー・オッペンハイマー」は、生涯ユダヤ人の支援者だったと云われますが、創業者の多くがそうであるように、リスクを厭わず、又、単純な野心だけでなく複雑な思考を兼ね備えた、「サー・アーネスト」の改宗の真意はどこにあったのかは・・・定かではありません。)


イスラエルダイヤモンド協会は昨年、中国は最優先で開拓している重要な市場であると発表しました。
(中国国務院直属の通信社である「新華社」発表による)
イスラエルのダイヤモンド産業界も中国がターゲット。やはり今は中国抜きで経済は語られないようです。



「イスラエルの資源とは」

イスラエルの資源は豊富ではありません。しかし、強固な意志と高度な教育レベルから来る、その「人材」こそがイスラエル国家に存在する豊富な資源ともいえるものです。

また、ユダヤ人特有の商才や全世界に散らばる支援者及び情報提供支援者、さらに米国の支援(及びドイツ)もイスラエル国の経済及び存続の基盤となるものです。

現在は、エレクトロニクス、ソフトウエア等のハイテク産業が大きく成長し、マイクロソフト・インテル・ヤフー・HPなどの企業の研究所・工場の誘致にも成功。また、GDPに占める研究開発投資は突出しています。

イスラエルの科学技術の発展には、ロシアからの有能な研究者の存在、及びベンチャー企業の存在も大きく寄与しているのが特徴ともいえます。

水資源が乏しく、建国いらい敵に囲まれ争い続けてきた小国としては、驚異的な発展とも言えますし、厳しい中東の国の中でのその教育レベルの高さは驚愕すべきものです。

また、各省庁それぞれの研究開発費が割り当てられていますが、イスラエル政府出資の研究開発費のうち、半分は一般大学への助成金、3分の1が産業の技術開発費に回され、その二つの出資だけで、全体の80%以上を占めています。

そして、この国の予算で、国防省の次に予算を持っているのが教育省です。
これといった豊富な資源はなく、さらに水にも乏しく敵に囲まれたこの国が存続し続けるためには、人材の質が何よりも大切だということが判っているのでしょう。

「天然資源がなければ人的資源で」
厳しい国際社会で国を繁栄させるためにはそれしかありません。
高度な知識・道徳・独立心を教育し、知性と教養を育てるしかない。
それはもちろん、同じように資源が乏しい我が国「日本」にもそっくり当てはまります。



ただ、国土と国の規模があまりに小さく米国などと地理的にも離れ、且つ、水資源の乏しい国ですからイスラエル発の世界的大企業は存在しません。

水資源が乏しいということは、工業産業施設だけでなく農業でも勿論厳しいのですが、数々の品種改良や生産方法の改良を行い生産性が飛躍的に向上し、農作地も沢山増え一部農作物も輸出できるようにもなりました。

(農業地方省では、水の効率的な利用、「脱塩技術」「下水処理」「浄化技術」等の研究・技術開発も優先的に行われているようです)

しかし、イスラエルも優秀な頭脳の流出に頭を抱えているようです。
主にアメリカ・カナダへの移住が多く、給料が多いことも大きな原因でしょう。国力の違いがやはり現れるところであり大きなジレンマです。


また、イスラエルはとても政治的に成熟した国です。腐敗に対する自浄作用も徹底しており、重要な省庁でさえ日本のように無駄に贅沢なお金を掛けず、日本から見れば必要最低限の掘っ立て小屋?(ちょっとオーバーですが)で賄っているのです。

依然不透明な対アラブ・中東和平問題で、世間に批判されながらも時に強硬な姿勢も垣間見るイスラエルですが、「たとえ、世界中に嫌われても我々は生き残るほうを選ぶ」 という、強固な意志を持った国です。

日本人の感覚とはかなりの違いのある国ですし、一般的日本人はどちらかというと親アラブ、あるいは親パレスチナのほうが多い?ようですが、色んな意味で日本とリンクする部分も多い。私も常に注目している国です。

強烈なナショナリズムと旺盛な独立心、そして自らの国家・国民が議論と戦いを止まないイスラエル。
「ダビデの星」が輝き続けることは、日本人に足りない何かの気付きを与えてくれるようにも思います。
posted by マーキス at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

飛躍する聖賢の国 「天竺(インド)」

「リーマンショックに動じなかったインド」

インドの宝石産業はインド経済において重要な位置を占めています。
特に「金」の需要の多い国で、ゴールドジュエリーの市場に占める割合は大変多いものとなっています。

そのゴールドジュエリーは、多くがインド国内で消費されるものです。

また、ダイヤモンドのカット・研磨産業が盛んであり、ハイテク機器も備え、加工済みダイヤモンドの提供、及び大量消費国として世界のジュエリー市場での重要な位置を担う国です。
(北西部のスラートは重要なダイヤモンド処理産業地域で、生産高の約80%を輸出しています。)

インドで製造されるゴールドジュエリー等の産業及びダイヤモンド処理産業は、小さな会社で製造・加工されているのがほとんどですが、今後は組織化された大きな企業が台頭してくるものと思われます。

また、インド政府はプラチナの輸入税の削減やカラーストーンの免税、輸出の広大のため未加工の宝石は非課税などの優遇措置を行っています。
さらに、宝石・ジュエリーの設計・開発をサポートする沢山の機関があるようです。


インドはIT産業でも躍進しています。
その原動力は「教育」です。

地方による貧困の差もまだまだあり、義務教育が規定されたとはいえ、まだ完全実施の普及には至っていませんが、日毎に教育レベルが上がってきており、優秀な人材の多くはアメリカの大学に留学しています。

(アメリカには毎年6〜7万人が留学していると云われますが、日本への留学は僅か数百人程度です。)

インド側は日本との産業を含めた多くの事柄での関わりを望んでいるようですが、日本側の受け入れの意思はまだ薄いようです。
(インドは極めて親日的な国だと云われています)


インドの特筆すべきものは、「若者の人口比率が非常に高い」ことであり、25歳以下の比率は53%もあります。これは大きな強みでしょう。
(日本は僅か27%程度で、中国は41%です。)

また、インドの数学教育の意識は高く、「ゼロ」を発見した国の誇りはともかく、あらゆる技術の基礎は数学にあるという基本思想と共通認識を持っているようです。

初等学校(日本の小学校の1年生〜5年生)でも基礎的な計算が暗算で出来ることも重視しており、また、お金と数学に関する教育も同時に行われ、3年生ではレートチャートや請求書の作成等も行っています。

(日本はお金のことや経済の流れ等を、子供の頃になぜかほとんど教えません。それでは実社会に出ての判断力を養うことは出来ませんし、さらにそのことは、実は勉学の重要さに気付かない人達を大量に生んでしまうことにもなります。環境に恵まれていない人ほど、気付かなければならないのですが・・・)


リーマンショックにも揺れず、堅実な経済成長を遂げているインド。
不動産バブルが絡んでいるわけでもなく、内需主導の堅実なパターンを歩んでおり、国内の携帯電話の需要や乗用車の販売等も順調に推移しています。

今後の成長において、まだまだ貧弱なインフラの整備(産業発展に非常に重要で、早急な対応が必要でしょう)、これからさらに拡大するであろう生活格差、発展を続ければ直面するであろう地価の高騰、複雑な徴税システム、劣悪な隣国パキスタンとの関係などなど、課題は多いインドですが、今後中国と並んでその成長が期待されます。


このインドは何かとてつもない可能性を秘めた国に思え、個人的に注目している国です。

工業製品の輸出はまだまだ芳しくありませんが、先進国の今後の関与の仕方如何では、若しかしたら中国に次いで「化ける」国なのかも知れません。
posted by マーキス at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月01日

日の目を見ない国際貢献 日本のODA

少し、ご無沙汰していました。相変わらず本来のブログのテーマから逸脱している?ようですが、今回はODA(政府開発援助)について

kt_laos_03.jpg切手になった
ラオス「パクセー橋建設計画」

(紙幣にもなった)


「ODA 途上国の希望」

生活用水として泥水を汲み上げる人々、動物の屍骸が浮んでいる横で体を洗う人々、掘っ立て小屋、すえた臭い。
全ての途上国がそのような状況ではないでしょうが、劣悪な状況には変わりありません。

しかし、アフリカ、東南アジア等の途上国へのODAの予算を捻出するのは簡単ではないようです。

宝石やレアメタルをはじめ、私達に様々な資源を大量に与えてくれる貧しい国々に対する援助は先進国に課せられた使命でもありますが、ODAは経済状況の悪い国への援助を対照とする側面がありながらも、国益も考えた政策でもあり目的です。

貧しい地域への援助に対し国民は基本的には賛成の意向なのでしょうが、政府が関与した外国への援助の不透明さへの懸念と、自国自体が厳しい状況にある中で全体の予算の中の他の地域への援助額には、慎重にならざるを得ないのは尤もな意見でもあります。

この予算はそれほど不透明でもありません。他にもっと不透明な予算はありますし、外務省のホームページ等からも、まだあまり詳細ではありませんが活動の概要にアクセスできますし、近年特に予算配分の公表が行われるようにもなってきました。
(ちなみに、「第二メコン国際橋」は切手にもなっています)


ただ、国民・納税者の意識は、劣悪な生活状況を強いられている人々に対し、医療や食料等の提供には暫定的ですが、インフラ整備等に対する予算の使い道にはかなり否定的なのだそうです。

この統計にはかなり驚きましたが、途上国の経済発展を考えた場合インフラ整備は絶対に欠かせません。

物資の供給や様々な分野での人材の派遣等による直接的効果のある援助ももちろん大切ですが、「経済インフラの整備」なしでは永遠に自立できないし、その国の将来の発展はまず不可能です。

このような援助は全てが大切なわけで順番を付けるわけには行かないかもしれませんが、あえて優先順位をつけるとすれば、インフラの整備は最も重要視されなければならない項目のひとつといえるでしょう。

中長期的視点で考えなければ貧しさは永遠に続き、援助も永遠に続くことになる。

大切な国家予算を有効に使うという、国益も考えたODA本来の目的からも途上国の将来を見据えた視点での援助の在り方を考えなければなりませんし、明日食べる食料にも事欠く生活から脱却した人々に訪れるであろう、「心の底から込み上げて来る笑顔」を生むためには、その場限り有効な支援だけでなく、その国を発展させ豊かにすることのできる政策でなければなりません。


また、途上国の統治能力は非常に低い場合が常で(モラルの欠如、行政の非効率性)、インフラの長期的使用は、「維持管理能力の質」如何にかかってきます。

最終的な自国の発展は途上国自身の手に委ねられなければなりません。
途上国の自立を、発展と整備環境に即した状態に保たせるためには、維持管理能力・管理技術の教育も同時に行うことが不可欠でしょう。

contents_01_14_01.jpgcontents_01_14_02.jpgcontents_01_14_03.jpg


南アフリカ ムプマランガ州「小・中学校建設計画」


「中国へのODA」

日本は中国へも多くの援助を行っています。
3兆円を超える巨額の円借款及び、特に貧困の激しい内陸部に対して無償援助も行っています。

経済的に豊かではない国への援助の側面のあるODAで、無償援助と違い円借款では貿易黒字大国の中国は「貸し倒れの心配のない国」でもあります。

貸付には当然利息が伴うものであり、各国々の毎年円借款による利息の合計は100兆円を超えています。

世界一の黒字大国である中国に対する援助には様々な意見があるようですが、内陸部の貧困と格差等はまだまだ途上国といえるものであり、また、ODAは国益も考えた政策で中国への援助は国益に即す援助でもあるわけで、そしてそのことは巡り巡って他の国々への援助のための原動力にもなる側面があるのです。

特にODAが開始された初期の頃はインフラも進んでいませんでしたし、かなりの貢献が出来たのではないでしょうか。
ただ今後対中国の円借款は、日中両国の意向としてゼロの方向に向かうようです。



ODAはマスメディアの批判に晒され易いですし、汚職や無駄遣い、実態がつかみづらい・不透明、など否定的な意見と考え方も根強いです。

ODAはあくまでも援助国との協力関係により推進されるものであり、途上国の非効率的・非能率的な社会システムの中で思うように進まない場合もあるのも当然で、一部の滞りがマスメディアによってそのことだけが強調される危険もはらんでいます。

道路や電気、そして水が整備されていない地域に発展はない。
国民の共感が得られにくい外国での事業に、現場の声がもっと内外に届くような環境も必要なのでしょう。
私達一般人が知らないことも沢山あり大変難しいテーマです。
posted by マーキス at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月21日

北朝鮮の資源 及び「金元工作員」来日

「北の資源」

北朝鮮にも鉱山資源があります。
鉄鉱石・ウラン・マグネシウム・銅・タングステン等その他、その技術と資金そして電力のなさから開発は進んでおらず、眠っている地下資源はかなりあるのではないかと各国々も狙いを付けているものと思われます。

中国と韓国は資源開発の協力で北との合意を得、開発に必要且つ重要な様々な権利を手に入れています。

特に中国との貿易は広大しており、北朝鮮の中国への依存度は増すばかりですし、中国は自国のエネルギー確保のために更なる投資の増大を行うものと思われます。

日本も様々な外交カードを駆使し、したたかな外交交渉を行わなければ、他国がすでに走らせているバスに乗り遅れることになります。

ウランも豊富とされ、ウランの濃縮には莫大な電力が必要なため、核開発は電力の一番豊富な地域で行われているのでしょう。
このウランの埋蔵量は先進国各国々が注目しているのは間違いありません。

また、「金(ゴールド)」の埋蔵量もかなりあるのではないかと目され、過去に重要なポストを日本が握っていた「朝鮮総督府」はその存在を確認していました。


ちなみに、正規の取引の対象となりえない刻印のない金塊は北朝鮮からのものではないかと云われています。

「金丸信元自民党副総裁」が国税局の査察を受けた時、金庫に眠っていた金の延べ棒は「フォーナイン(99.99%)」だったといわれますが、まったく刻印のない非常に大きな金塊だったとも云われています。

この金の延べ棒に関しては様々な憶測が飛び交っておりますが、北朝鮮からのものではないかというのが多くの方の意見であるようです。
北との関わりが深かった金丸氏ですから、当然出てくる推測ともいえるでしょう。

しかし、捜査に関わった人物によると、「東欧の独裁政権の国」から流れてきたものと証言されています。

大して根拠のない勝手な憶測ですが、私は「ルーマニア」がその出所ではないかと睨んでいます。

ルーマニアは石油の産出国でもありますが、豊富とされる金鉱山があり、当時の独裁者「チャウシェスク」金日成総書記の影響を強く受けて独裁に走ったと云われており(1971年北朝鮮訪問)、「金丸信」「金(ゴールド)」「東欧」「独裁政権」このカードを並べてみると、
「ルーマニア(チャウシェスク)→北朝鮮→金丸信」というルートが予測できなくもないのですが、どこにも文献・記述・レポート等が見当たらず、定かではありません。

また、その脱税事件の時問題とされた「割引金融債」いわゆる「ワリシン」は無記名のまま売買できる利払いのない債券で、「マネーロンダリング」に利用され易い性質を持った債権であることが、その事件をきっかけに一般にも知られるようになりました。

この「ワリシン」は利益が確定していないにも関わらず、税金が先払いされる独特のものであったので、その危険性は隅に置かれ、先払いされているから税務署の調査の対象とされていなかったところに盲点がありました。


時事問題 「金元工作員の来日」

金賢姫元北朝鮮工作員が来日しました。その動向に日本中が注目していることでしょう。

日本が特別な法的措置をなし来日させた金元工作員ですが、拉致被害者の家族に有力な情報がもたらされる事はないでしょう。

たとえ、金元工作員が何かを知っているとしても、拉致被害者の家族には知らされません。

重要な外交カードとして、また、拉致被害者本人の生命の危険を避けるためにも、そのような情報がマスメディアや一般人に晒されてしまう訳には行かないからです。

家族に知らされてしまったら、どこからその情報が漏れるか分かりませんし、「一般人に知らされた情報は必ず漏れる」と考えなければなりません。

拉致被害者の家族には酷ですが、それが拉致被害者本人を守るためでもあります。

それを知らされるのは、政府高官、政府・官僚筋の中の極一部の人のみのはずです。

それこそ、テレビを見ている一般人には何一つ情報がもたらされることはありませんし、もしそれがされるような政府ならば末期的な状態だといえるでしょう。


それにしても、北朝鮮に拉致された日本人は一説には百数十名ともそれ以上とも云われています。

祖国から連れ去られた被害者の心情は、私達には想像すら出来ない、言葉では表せないほどの辛く悲しい絶望的なものだったのでしょう。

家族が生きている間に一刻も早く解決されることを願わずにはいられません。

posted by マーキス at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

金賢姫が与えた影響と日本が招く意味

「思想の疑念」

平壌外国語学院で日本語を専攻し、金正日政治軍事大学第17期工作班の卒業生で、後に対外情報調査部の工作員として、大韓航空機を爆破するテロ行為を犯した金賢姫

北朝鮮人皆がそうである様に、北当局に幼い頃から思想教育を徹底して受け、毒薬で自殺を試みるほど金正日に忠誠心を抱いていた彼女でしたが、北当局から、北朝鮮は素晴らしい国で、韓国は北よりはるかに劣る国だとして教育を受けていた事と、実際に連れて行かれた本物の韓国の豊かさと民主的な国のギャップに心底驚き、自分が長い間自国に騙されていたのを悟ったといいます。

当時、北朝鮮そして工作員の養成所でも話題の中心となっていた彼女が考えを改めたことは、当の北朝鮮側の人間達にも北朝鮮当局と金正日総書記に対しての疑念を抱かせることにもなりました。

彼女の存在を知っていた「金正日政治軍事大学の指導員や後輩の生徒たち」

有名になった彼女の行動と思想の変化は、北朝鮮で暮らし、そして彼女と同じように特殊工作員として過酷な訓練と指導をされている者たちの心に一矢を報いることができ、北当局の行いと指導に対し、彼ら同胞の心に疑念を抱かせることが少しでも出来たのは間違いありません。

それは、北の体制を崩壊させるためのホンの僅かな微々たる一歩かもしれませんが、大変重要な一歩でもあったはずです。

また、そうでないと、あの事件で亡くなった多くの犠牲者の霊が浮かばれません。


「日本が金賢姫を来日させた意味と意義」

今回の金元工作員の来日に関しては、当然ですが様々な批判的な意見が飛び交っていました。

「政権のパフォーマンスなのは明らかだ」 「横田めぐみさんなどの拉致被害者に対し、所詮古い情報しか得られない」 「思い出話に過ぎない」 「日本人の偽造パスポートを使ってあのような大きな事件を犯した犯罪者を入国させるのか」

などなど、多額の費用を掛けて実行する価値があるのか疑問に思う意見は当然でしょう。


今回来日したのは拉致被害者の家族との話し合いがひとつの大きなテーマです。
金正日政治軍事大学で彼女の日本語の指導員だった、「李恩恵(リ・ウネ)」だといわれている田口八重子さんの御家族や横田めぐみさんの御両親などとの面会。

金元工作員との会談が被害者家族達の心を少しでも癒し、ホンの僅かでも希望をもたらすことが出来るのならば、意味があるものだと思います。

高齢になってきた御両親たち家族もそう易々と慣れない海外に行けませんし、年齢に鞭を打ち、日々活動をしている御両親たちの心労と疲れきった体のために、そして大切な我が子を奪われ大変な苦労と悲しみを受けている我が同胞日本人のために、少しでも安らぎを与えることが出来るのならば、そのことだけでも、例え高額であろうが国のお金を使う意義は大いにあるはずです。


また、年月は経っていますが、金賢姫は北朝鮮の元対外情報調査部の特殊工作員「対南活動」を主にする元エリート工作員です。

アンダーカバーに徹することが出来るよう、工作の対象国の生活の特徴や歴史、語学、その国の特徴やクセ、流行の内容、その国のテレビドラマ・映画、町の道・風景などから細かな抜け道の道路まで、「ターゲット・カントリー」のありとあらゆる事を徹底的に教え込まれます。

さらに、耳・肩などが腫れてしまうほどの射撃訓練、走りながら標的を狙う訓練、超過酷な水泳・潜水訓練、何十キロにも及ぶマラソン、格闘技、など、途中で死者も沢山でる過酷な訓練を経た筋金入りの人間が特殊工作員となります。

工作員となる彼らは、元々が成績優秀な人物で、いわゆる「出身階級」もよい人間が候補にされ、さらに2年以上にわたる素行調査を受け監視されながら選ばれた、北朝鮮の本物のエリートです。

彼女から知りえる情報は日本や韓国にとって、けっして陳腐なものではありませんし、多少の時が経っても得るものがあるはずです。


日本政府にとって、拉致被害者の情報を得ることと同じくらい、北当局の他のことに関しての情報を得ることが大きな目的のひとつであるでしょうし、官僚を含めた政府首脳陣の大きな関心事でもあるはずです。

また、韓国政府の意向もあり、韓国に不利な情報は彼女の口からは語られないでしょうし、今まで拉致被害者の事に関しても、たとえば、横田めぐみさんのことに関しても「聞かれなかったから」と繕った言葉で多くを語らなかったのは、日本側の質問に対しての韓国側の意向が、はっきり彼女に伝わっていない部分もあったからでしょう。

訓練を受けた元特殊工作員が、聞かれた事をなんでもかんでも安易に話すはずはありません。

それは、「横田めぐみさんを見たことがあるか」などの、一般人から見ると大して差し障りのないような会話に関してもです。

彼女のような生い立ちの人間は、韓国当局の判断と指示を仰がない限り下手なことは言えない、ある意味強迫観念と実際の束縛に捉われているともいえるでしょう。

彼女は超法的措置で死刑にならなかった代わりに、国は変われど完全な自由を持つことが出来ない人間です。

あれだけの事件を起こしてしまい生き延びてしまった彼女は、北朝鮮に受けた思想教育と過酷な訓練の影から一生逃れられません。

その影が形を代えて、今は超法的措置で生かしてくれ、知りすぎた人間を北の報復からも守ってくれた韓国政府の意向から逃れることのできない、ある意味韓国の公人ともいえる立場にあります。


今回の「金賢姫来日」は、拉致被害者の情報を得るためだけのものではありません。

日本政府がテロ被害者やテロ撲滅の世論の批判を覚悟で呼び、韓国政府との水面下での調整で実現した今回の金賢姫元工作員の来日は、単純な理由ではないはずです。

これは自民党の、政治の裏を知る古株の人達も分かっているのではないでしょうか。

自民党の誰かが叫んでいた「政権のパフォーマンスだ」の言葉こそ、自民党のパフォーマンスだと思ったのは私だけでしょうか?
(発言した本人に意図はなかったとしても)

今回もテレビを見ている一般人には、たとえ新情報が報道されたとしても、それほど重要ではない情報が小出しされるだけのはずです。

精々、すでに報道にもあるように、「誰々を見た」程度かそれに類する程度の情報のみでしょう。

真実と重要な部分はいつも別のところにあるのが常です。
ましてや、対外的なメンツ・各国々の浮沈やパワーバランスに関する政治的なことや外交、そしてそれに絡む情報や諜報活動に関わることならば尚更です。

拉致被害者たちを救うためには、拉致被害者の情報を知るだけでは、全く足りません。

北朝鮮の金王朝の権力バランス、後継者の力量と人望、労働党本部内の内部事情、国内保安部の能力と実態、対外工作機関の訓練の実情とその実力、諜報活動能力、核施設概要・開発レベル、兵器その他の技術レベル、資金難の実情、資源、などなど、様々な情報を得ることにより、その情報から経た戦略が外交カードとなり、それこそが強い交渉力を生む事になり、拉致被害者を救う事につながってくるのです。

そのためには、金賢姫はもしかすると役不足なのかもしれませんし、それは私達一般人には分かりません。

しかし、表面的には沈黙を守る元対外情報調査部のエリートがもたらす真の情報を、出来る限り引き出そうとすることは国家を任された人達の努めであるでしょうし、少ない外交カードの中で望みのある一歩を導かそうとすることは、本来けっして無駄な行為ではないはずです。


ただ、彼女の存在と価値、今回の来日の真の意義を政府がしっかり認識し、今後の北朝鮮との交渉に確実に生かすことの出来るものでなければならないのは、言うまでもありません。

識者が今回の来日の件で批判しているのならば、それは、そもそも日本の政府にそのキャパシティーが存在しないことを見越しての意見なのでしょう。
それは確かに私も同様の考えにならざるを得ません・・・
posted by マーキス at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月24日

帰国へ 「金賢姫」が残したもの

暑い日々が続きます。
金賢姫来日関係の記事3回目ですが、御了承下さい。

「相変わらずのマスメディア」

金賢姫来日の件で、日本のマスコミの報道には、不信感と不安感を禁じ得ません。

特に民法のテレビは終始一貫、拉致被害者の情報の有無に関してのみ。
それは確かに大きな目的ですし、大変重要なことです。
ですが、そのような記事ならば、しっかりした中学生でも書ける

仕舞いには、ヘリでの移動の是非や費用についての質問や費用を掛け過ぎの報道。

ヘリでの移動に関してだけは、遊覧の意味も含まれた浪花節なのでしょうから賛否両論があるのも分からなくはないですが、とにもかくにも、国にとっても、国民にとっても、そして拉致被害者家族にとって、あらゆる意味での重要人物で「大物」である彼女を一般人と同じように扱えとでも言いたいのでしょうか?

彼女を狙う不届き者もいないとは限りません。もしものことがあった場合、政府を批判せず報道機関が責任を持ってくれるのでしょうか?

政府担当者も言っていましたが、それでは外国からの要人が今後一切呼べない。
それとも、あのような事件を起こした犯罪者に対し、国の大切なお金をそこまで掛けるに値しないということなのでしょうか。

あまり批判などはしたくないのですが、そのようなある意味マニュアル的で稚拙な考えでは物事は進展して行かない。
他に報道すべきことがあるのではないでしょうか。

比べる対象がおかしいかもしれませんが、以前、東京都知事がオリンピック召致に使った150億円とも云われる、庶民を完全にばかにしていたともいえる費用の使い方の方が、はるかに非難されて然るべきことだったと思うのは私だけではないはずです。


政府は被害者家族との会談の「音声無し」の映像や写真を公開。

予想通り、政府側がいう「機微に触れるから」当然なのですが、金賢姫が「重要度の高い部分」は話さないであろう家族との会談ですら、一般人にはその情報を得ることが出来ない・知らされないという事実と事の重要さを国民に説明し、重要な事実と現実に即する理解を得ようとすることも、開かれた報道機関としては大切な任務です。


「短かった滞在期間」

たった四日間の滞在。そのスケジュールを考えると多くの事を引き出すのは無理だったことでしょう。

最初はもう少し政府の担当メンバーとの話し合いの時間を取るものと思っていました。

これが、韓国側との取り決めの限界だったのかも知れませんし、日本政府の限界だったのかもしれません。
引き出せた情報は最低限の情報のみだったでしょう。

確かに日本政府に権限は持ち得ない。日本以上に拉致被害者のいる韓国にその解決の機運が盛り上がっていない現状の中で、韓国政府の寛大なる協力をもう少しだけ期待したかったところですが、韓国側の機密上これが限界なのでしょう。
かえすがえすも残念です。

金賢姫は拉致被害者の情報は韓国側には流れてきている事をそれとなく認めていました。
これは暗に北朝鮮側にディープカバーエージェントが潜んでいる事を認めていることになります。
(亡命者・その他、からの情報も含まれるのでしょうが)

それは至極当たり前の事で公然の事実なのですが、民間放送の中でまさか彼女の口からそれが出てくるとは思いませんでした。
今回の来日にあたり、相当韓国側が譲歩してくれた様子が窺えます。


繰り返すことになりますが、彼女から引き出せるものは、拉致被害者の情報だけではありません。

外国が行っている工作活動・スパイ活動において、現場の第一線の工作員として活動していた彼女から得るものは、そのような事に特に疎く、スパイ防止法すらない日本の政府にとって大変重要な意味も持っています。

「現実の」海外の工作員がどのような訓練を受け、どのような情報をどのような手段を使って得るのか。

また、〔実際の破壊工作の手順〕 〔協力者の確保の方法〕 〔ケースオフィサー等との連絡手段〕 〔暗号・偽造等の技術及び装置の性能〕 〔侵入方法・経路〕 〔専門分野の能力と実力〕 〔工作員の数〕 〔情報のリークを防ぐため、どこまで「セル化」されているのか〕などなど、現実のスパイとして活動していた対外情報調査部のエリートが知りえる本物の情報を、日本の政府がもし、細部まで聞き出すことに成功することが出来るのならば、それだけでも計り知れない価値があるのです。


ただ、彼女はエリートとはいえ、実戦部隊の工作員でしたから、上層部の中枢のことまでの情報等は得られません。

1997年に韓国に亡命した、「黄長Y(ファン・ジャン・ヨプ」元国際担当書記などから得られるような情報とはまた種が違うものですが、特殊工作機関関係以外のことでも、彼女から得られる情報が隠されたものでないのならば、それは日本にとって、決して取るに足らない瑣末なものではないはずです。
(もちろん、今回はその情報の引出しは無理だったでしょうが・・・)


今回、たぶん重要な情報はそれほど引き出すことが出来なかったかもしれませんが、金賢姫が拉致被害者家族に与えた希望と勇気は少ないものではなかったと思いたい。
そして、これからの北朝鮮との交渉に対し、何らかの貴重なものも与えてくれたのではないかと思います。

しかし、それを生かすも殺すも政治的外交能力次第。

日本の政府首脳は、金賢姫が家族会事務局長に語っていたとされる、「どうやって引き出すかは、国が戦術、戦略をもってやらないといけない」という言葉を噛み締め、拉致問題に対し新たな態度で挑む意味で綱紀粛正に努めなければなりません。

posted by マーキス at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月30日

「韓国とリビア断交寸前!」 カダフィの対応

「韓国大使館員追放」

リビアの韓国大使館員がスパイ容疑で国外追放されるニュースが流れてきました。

両国の緊張はいっきに高まり、断交寸前の状態にあるそうです。

リビア在住の協力者も続々と逮捕された模様です。これは逮捕された大使館員が厳しい尋問にあったからでしょう。

各国々の諜報機関員がカバーとする代表的なのが大使館員です。
冷戦当時、日本の旧ソビエト大使館員のほとんどは「KGBメンバー」だったと言われています。

それこそ料理人から運転手、掃除婦まで、すべてソビエトの人間を使っていたそうです。


韓国も、もちろん各国々で諜報活動を行っています。
昭和40年代後半に起きた来日中の「金大中氏拉致事件」も、KCIA(韓国中央情報部)が関与していたと言われていましたが、韓国側は日本側の捜査を完全に拒否。
スパイ防止法のない日本は言われるがまま何も出来ませんでした。

先の記事で、「金賢姫が拉致被害者の情報は韓国側には流れてきているとそれとなく認めていた。」という話をしましたが、あの発言は金賢姫が来日したことにより日本の一般視聴者が知りえた情報の中で、一番重要な発言だったであろうことに気付いた人はどれほどいたでしょうか。

もしかしたら、あれは韓国側が意図していなかった金賢姫の失言だったのかも知れません。

金賢姫来日に注目していたのは日本だけでありません。

アメリカを含め各国々、そして当然「北」も注目していたはずであり、公然の事実で分かっている事とはいえ、今以上に韓国の諜報機関員、エージェントの探り出しと浸入防止の対策を強化し、更に目を光らせることになるかも知れない「リスクのある発言」だった訳です。

もし、私達の想像以上に韓国側が問題視しているかもしれないと仮定するならば、しばらく金賢姫が表に出てくる機会は確実に減ることでしょう。


さて、過去にアメリカにテロ支援国家に指定されていた「リビア」
その後解除されましたが、これは裏でアメリカの脅しとも取れる要請を呑まざるを得なかったからでしょう。

リビアと北朝鮮の関係も深く、北朝鮮はウラン等をリビアに輸出していたと云われており、北朝鮮との武器取引等その他の情報を韓国が欲するのは当然です。

ちなみに、リビアの「カダフィ陸軍大尉」が無血クーデターを起こしその権力を握ったのは、たしかカダフィが27歳!の時だったと記憶しています。
平和ボケした我々からするとあり得ないエネルギーですね。

彼は革命を夢を見ていた当時、仲間達と政治の話をすると、永遠と喋り続け夜遅くまで途切れることはなかったそうです。
とてつもないバイタリティーとエネルギーを持った人物なのでしょうね。

後に「大佐」としたのは、憧れていたエジプトの「ナセル陸軍大佐」の地位から取って、自分も「大佐」としたといいます。


「スパイ防止法」

金賢姫やリビアの事件があった事を機に、スパイ防止法について記述してみたいと思います。

当然の如く、日本にはスパイ防止法がありません。

他の国では「実際に現実として」諜報活動や工作が行われているのです。

当然先進国であり高度な技術等を備えた日本はその諜報活動・工作の「対象国」なのは当然ですし、スパイ天国の日本からは情報がザルの如く洩れているはずです。

北朝鮮の金正男氏が偽造パスポートで日本に不法入国しようとした事件も、まだ記憶に新しい事件です。

拉致問題に関しての思ってもみない重要な外交カードだったにも関わらず、強制退去しか出来ず、易々と自国に帰してしまったのは記憶に新しいでしょう。
あれもスパイ防止法がなかったのでどうすることも出来なかったのです。

今回リビアは韓国大使館員から多くの情報を引き出したはずです。日本が何も出来ず、強制退去だけで終わってしまったのとは雲泥の違いです。

他の国は事の重要性を認識しています。
「CIA」や「旧KGB(現SVR対外諜報部門他)」、「MI6」、「モサド」、「旧KCIA(現国家情報院)」などの諜報機関に絶大なる信頼を抱いており、日本では考えられないような莫大な予算をその諜報機関に掛けているのです。

他国がこのような活動をしていることが現実である以上、日本もその工作に対し何らかのカウンターを打って出る必要性があるのは当然のことではないでしょうか。

政治的情報のみならず、日本の高度な技術も相当流れているであろう事実は日本の産業界、そして日本国の将来にとって大変大きな問題です。
この問題はもっと議論の対象にされるべき問題であり、緊急性のある重要な問題なのです。

他国に情報が漏れていたら外交戦略も何もあったものではありません。

他国では、様々な情報にプラスして、対応する政治家の性格や弱み等から性癖に至るまで徹底的に分析して交渉に挑んでいます。

相手に情報が筒抜けでは、その事に事前に対処して、分析・対策を練って臨んでくる相手に勝てるはずがありません。

逆に重要な情報を得ることが出来たのならば、アメリカがリビアに対して行ったような、得た情報から戦略を練り、相手を説き伏せさせる事も可能なのです。

つまり、沢山の有効なカードを持ち得ることになります。
そのようなカード無しでは、拉致問題解決の糸口もなかなか見つかりません。

だからこそ、金賢姫来日は、そのような情報が得られない日本にとって、少しでも望みある一歩を導く「期待」が、焦る日本政府にはあったのです。
かなり甘い考えかもしれませんが、拉致被害者及びその家族に対し、あの金賢姫来日は、そのような事に疎い日本の政府の精一杯の情と努力であったと思いたい。
posted by マーキス at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月01日

進む道は第二の中国? 変化著しい「インド」

「過去の路線とは明らかに変わってきたインド」

「インドの進む道」

今年に入り、インドの中央銀行は政策金利である他の市中銀行への金利(貸付金利)の4度目の利上げをしました。

物価指数が上昇し続けており、インフレ率を抑える目的です。
上昇率は低下の兆しが見えず、今後さらにハイペースの利上げを行うようです。

旺盛過ぎる需要の広大時に常に起こり得ることで、ハイペースな利上げを行い、堅調な経済成長とするために次々と見直しが図られています。

GDP成長率も上がり、勢いを増しているともいえるインドですが、一方でミャンマー軍事政権との協力関係を築こうとしており、軍政の要人を厚遇で招いたとされています。

ミャンマー国境付近の反政府武装勢力の制圧の目的もあるのでしょうが、ミャンマー軍事政権との関係を深める中国が脅威となっていることは明らかであり、天然ガス開発への投資やインフラ整備等、積極的にミャンマーとの協力関係を深めようとしています。

その行動に対し、他の民主国家からの非難は必至であり、今までミャンマーなどに対しても中立的な態度を取ってきた日本も、開かれた民主主義国家として、また世界のリーダーの一員として断固たる対応と態度を示すべきです。

軍事政権と共存・協力するような国家や、また、それに加え、どことは言いませんが環境保護にも無頓着で癒着が酷く腐敗した国は、たとえ経済的イニシアチブを握ろうとも欧米の各国々がリーダーとして認めるはずはありませんし、その企業と官の腐敗、商業的な盗作に加え、学術的な盗作、そのことを気にもしていない歪んだ学問論理。

その、すべてにおいて欠落している道徳的倫理観等を国際世論は監視をし、真の精神的成熟が認められなければ繁栄させるべきではないし、繁栄するべき国ではありません。

長崎市で開かれる「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に、「中国」と「インド」は欠席を表明。
「フランス」と「イスラエル」は出席の意向を示し、「アメリカ」はルース駐日米大使の「広島平和式典」の出席を決めています。
(インドはもちろん、「NPT(核拡散防止条約)」に加盟していません)

親日といわれるインドですが、日本は今後成長が認められるこの国との協力関係を維持しながらも、民主国家としてインドの政策路線に対し確固たる強い意志と考えを示し、「核のない世界」を実現しようとする世界平和のリーダーとして、バランスの取れた外交戦略が求められます。

インドを第二の中国にしてしまったら、世界が不幸になります。

中国とは違う真の自由主義と民主主義に則る成長の仕方が望まれますし、先進国の関与の仕方も、新興国に対し正しい成長の方向に導くような関与の仕方でなければならないことは、決してきれい事とは言えないはずです。


「今更のおかしな報道」

少しクドイようですが、変な報道がありましたので再び金元工作員の件について。

31日に報道があり、金賢姫が拉致被害者家族に「田口八重子さんは平壌にいる」と話したといいます。

周りに聞こえないように耳打ちして話したとされることに対し、マスコミを通じその事を話し、しかも今頃になって報道されたことは、いくら一般人の拉致被害者家族といえどもあまりに不自然です。

すでに一部では報道されていた既知の情報でもあり、わざわざ今頃になって、さも新情報のような報道は意図的なものを感じます。

それほど価値のない情報のみ小出しすることは分かっていましたが、いたずらに一般視聴者を煽るだけであり、未だに様々な情報がテレビのワイドショーで知ることができると思っている人達に金賢姫の批判をさせるだけです。

そのような思考の視聴者は金賢姫の「価値」が、 「20年以上前に北朝鮮にいた頃の拉致被害者の記憶のみ」しかない としか思っていません。

今回のような報道の内容程度ではまず大丈夫ですが、物事によっては国民の関心事や話題性が非常に大きい場合は、国民の感情が間違った方向に進むときもあり、大変危険なものともなることがあります。
posted by マーキス at 15:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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