2010年05月03日

「カリナン」 デビアスが恐れていた新たな発見

カリナン アフリカの偉大な星!

1902年、トーマス・カリナンという人物が、南アフリカの「プレミア鉱山(現カリナン鉱山)」を発見しました。

そのキンバーライトのパイプは大変大きなもので、世界有数のダイヤモンド鉱山であるケープタウンの「キンバリー」にある最大パイプの約3倍の大きさを誇るものでした。

プレミア鉱山で操業が開始されてから、多くのタイヤモンドが採掘され、その量はキンバリーで「デビアス」が採掘する総採掘量の3分の1に相当するほどで、さらに1905年にこの「カリナン」がプレミア鉱山で発見されることになります。

「カリナン」が発見された年から産出量は増加し、最初の10年で「デビアス」が占める世界のダイヤ産出量のシェアは40パーセントに急落しました。

それまで、90パーセントのシェアを誇っていた「デビアス」が常に恐れていることは、自分達の支配の及ばない新たな鉱山・鉱区が発見されることです。

当然の如く、「プレミア鉱山」が発見された時、デビアスはトーマス・カリナンに交渉を申し入れたそうですが、壮大な権力と資本力を持つデビアスに金額のコントロールをされることを疑っていて、その申し入れを断りました。
また、自分達でやっていけると踏んだのでしょう。


「カリナン」は先の記事で記述した通り、その原石は3106カラット!約620グラムもありました。
(※先の記事の数字が打ち間違えをしていたので直しました。〔誤り3016→正3106〕)

starofafrica-1.jpg「カリナンT」

その中で9個の大きな石が磨き上げられましたが(残りの石で他にも沢山のダイヤが磨き上げられました)、その中の「カリナンT」と呼ばれるものは、「530.20カラット!」で、74のファセットを持つ「ペアシェイプ」です。



cullinanII.jpg「カリナンU」

研磨された大きなダイヤの9個の総重量は1055.89カラットで、大きなダイヤを作るため、約2000カラット以上が無駄になった事になります。

勿論その中からも小さなダイヤが沢山作られた訳ですが・・・・・。
(その残りのダイヤの内訳は知りませんが、たぶん庶民の私達から見たらその残りのダイヤも素晴らしいのでしょうね!)

だが、1914年に第一次世界大戦が勃発すると、プレミア鉱山の株価は下落し、再び「デビアス」という帝国が支配権を持ったのです。
(しかし、この事実は、「デビアスの皇帝の地位」を、抜け目のないドイツ系ユダヤ人の「アーネスト・オッペンハイマー」に譲るきっかけとなるのです)


ちなみに、「カリナン」を発見した当時、鉱山の現場監督の一人が、大きなダイヤの原石とは思わずに馬鹿にして窓から放り投げたといいます。
それを信じていたもう一人別の監督の「ウェルズ」という人が、放り投げられた石を外に出て大事に拾ってきたそうです。

プレミア鉱山は、2003年に「カリナン鉱山」と名称変更しました。

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2010年05月04日

最も美しいダイヤ 「センテナリー」

「センテナリー・ダイヤモンド」 最も大きく美しいダイヤ

centenarydiamond-2.jpg「センテナリー・ダイヤモンド」提供デビアス
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「最も美しい世界最大のダイヤ」と呼ばれるのが、「センテナリー・ダイヤモンド」です。
「273.85カラットで、Dカラー、フローレス!!」と云われています。


1986年、プレミア鉱山で類稀なるダイヤモンドの原石が採掘されました。
それは、599カラットのトップカラーのダイヤモンドの原石でした。

「デビアス」はキンバリーで行われた「創立100周年」の祝賀会で、当時の会長トンプソンが最も大きなトップカラーのダイヤモンドを発見した旨を伝え、そのダイヤモンドに「センテナリー」の名前を付けたと発表しました。

「センテナリー」とは100年祭の意味です。

その原石のカットをまかされたのが、「ガブリエル・トルコフスキー」という有名な研磨・カット師です。名前から分かる通り、ロシア系の研磨・カット師です。

数学者でカット師であった大叔父の「マーセル・トルコフスキー」は、「ブリリアントカット」を考案した人です。その世界では名門の出ですね。


そのカット・研磨作業をするにあたり、デビアスの技術者と共に特別な冷却装置を作ったといいます。

その冷却装置を試すために使われた原石が、後に世界最大の研磨済みダイヤとされ、「名もない褐色の石」と呼ばれた「ゴールデン・ジュビリー」です。


「ガブ・トルコフスキー」は長い日時を掛け、その石を研究し、プラスチック製の模型を沢山造って試作品としたそうです。

3年余りを掛け完成させたダイヤは、独自のファセットを持ったダイヤでした。

クラウンに75面、ガードルに83面、パヴィリオンに89面、合計247面のファセット!を持った眩いばかりの美しいダイヤです。

デビアスは「ガブ・トルコフスキー」の仕事を補佐するため、エンジニア・電気技師を含めた特別チームを編成したそうですが、トルコフスキー自身も店を閉め、研究所のあるヨハネスバーグへ引っ越したそうです。

それにしても「デビアス」は、「ガブ・トルコフスキー」へどれくらいの報酬を支払ったのでしょうか?
下衆な興味ですが、ちょっと知りたいです。

原石が発見されてからの発表の経緯を考えれば、トルコフスキーにとってもデビアスにとっても、その石の研磨の失敗はあってはならないことだったはずです。
そのプレッシャーは相当なものだったことでしょう。


その完成された美しい石が発表された時、「ニコラス・オッペンハイマー」が、 「誰がこのような石に値段をつけることができますか?」と言ったのは有名な話です。
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2010年05月06日

「ゴールデン・ジュビリー」 醜いアヒルの子

「名もない褐色の石」と呼ばれた 世界最大の研磨済みダイヤ

goldenjubileediamond-2.jpg「ゴールデン・ジュビリー」 (another image) 
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最も大きな研磨済みダイヤが「ゴールデン・ジュビリー」(ザ・ゴールデン・ジュビリー)です。

「ガブリエル・トルコフスキー」「センテナリー・ダイヤモンド」を研磨する際、特別な冷却装置を開発し、用いましたが、その装置を使った効力と出来具合、性能を実験するため、その頃採掘された石でその実験に相応しい大きな石がみつかっていました。

約755カラットもあったその石は、色が茶色であったため「センテナリー」よりは価値が低いものとみなされ、また、ヒビの具合からカットが難しいとされていたので、格好の実験材料だったのです。

トルコフスキーは、実験で丸い形に整えた「名もない褐色の石」を「プレシ」というカット師にたくし、約1年をかけてクッションシェイプの宝石に磨き上げました。

完成したそのダイヤは黄金色の閃光を放ち、 「545.67カラット!!」もあるダイヤとなり、「偉大なアフリカの星」、「カリナンT」を抜いて、世界最大の研磨済みダイヤとなったのです。

世界最大となったそのダイヤを「名無し」のままにしておくことは出来ません。

そこで「デビアス」は、黄金色の閃光を放つ、その「名もない褐色の石」に「ゴールデン・ジュビリー」と名前を付けたのです。
「The Golden Jubilee 」とは「50周年記念日」のことです。
(1997年、タイ国王の50回目の即位式の記念日に献上されました)


「ガブリエル・トルコフスキー」はまだ名前が決っていないその石を、愛情を込めて「醜いアヒルの子」と呼んでいましたが、彼が手掛けた「センテナリー」と並んで、その愛すべき「醜いアヒルの子」は世界に轟く偉大なダイヤの仲間入りを果たしたのです。
 
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2010年05月08日

ダイヤのカットB

カットについて
ラウンドブリリアントカット

958381_c-p.JPG  
「ラウンドブリリアントカット」
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ちょっと簡単に図を引いてみましたので、ルースのカットについてのおさらいです。
(自分で適当にサッと描いただけですので、あまり正確な図ではありません!特にガードルの斜線は画像変換時に上手く反映しませんでした。御了承下さい。)

ダイヤを横から見た図ですが、これが平べったくなっていても、逆にテーブルの幅に対して深さ(高さ)がありすぎてもよくありません。

理想的な深さにカットされれば、上から入った光が上手く反射して再び上から出て行きます。

クラウン・パヴィリオンの角度やガードルの幅、キューレットの幅(大きさ)などの違いにより美しさ・評価も変わってきます。

また、キューレット中心部からガードルエッジまでの水平距離に対する、パヴィリオンのロウワーメイン(ローワーメイン)両端(キューレットの少し上の鋭角の部分)8ヶ所のガードルエッジまでの距離の割合など、様々な角度と距離なども総合的にバランスが取れてなければなりません。


煌びやかな輝きを見せ楽しませてくれるダイヤですが、現在のような複雑なカットが施されるようになる以前は、美しい色が付いているダイヤ以外のカラーストーンの方が人気があったようです。

特に原石のままだと濁った水晶のようで、あまり魅力がありません。

カット技術が向上してから、
特にやはり現在のブリリアントカットが登場するようになってからダイヤの価値がさらに上がったのではないでしょうか。

885927_f.JPG
664927-m.JPG




最初の頃は、劈開面を利用し八面体にカットされた「ポイントカット」が施されるようになり、その後、テーブルカットの原型が作られるようになりました。

さらに15〜16世紀にかけて様々なカットが施されるようになり、「オールドマイン」と呼ばれるブリリアントカットの原型・初期のカットが誕生します。

その後、記事にも前述した通り、1919年に数学者でもあったカット師の「マーセル・トルコフスキー」が理論的に数値を計算し、今日のラウンドブリリアントカットのベースとなるカットを考案しました。

ダイヤモンドは屈折率が非常に高く、これがダイヤモンドの輝きの素晴らしさにつながっています。(屈折率以外の様々な要素もありますが)
その効果を更に高めて、眩いばかりの輝きをみせてくれるのがこのようなカット技術です。

ダイヤをマクロレンズ等を使って撮影してみたことのある人は分かると思いますが、ペンライト等で光を当てたときの表情の変化の度合いに関してダイヤに敵うものはありません。

光の当て方・当て具合により千差万別の様々な表情を魅せてくれます。

他の天然のカラーストーンは、ダイヤほどの表情の変化は見せてくれないように思います。

ちなみに、宝石のマクロ撮影は非常に難しいです。
(私に腕がないだけ?)


御存知でしょうが、安価でダイヤの代わりとしてよく使われるものに、「キュービック・ジルコニア」というものがありますが、このジルコニアも屈折率が高く、肉眼でパッと見た感じはかなり綺麗です。

屈折率をはじめ、代用品・模造品・合成品との見分け方は、機械・器具を使うのはもちろんとして、他にも大雑把な見分け方もあります。
それに関しては、次の機会に。
posted by マーキス at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ダイヤのカットプロポーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月10日

宝石鑑定B 鑑別の方法

宝石鑑定の話し3

以前記述したように鑑定書と鑑別書なるものがあり、大雑把にいえば、「鑑定」はダイヤモンドに対してだけに行われているもので、ダイヤに「等級・位」をつけるものです。(グレーディング)

それに対して、「鑑別」は宝石を「識別・区別」するものと言えます。

まずは、その石がどのようなものに属するのか。
天然石か模造石・合成石なのか。そこで、その属性を調べるため鑑別することになります。


「屈折率」
鑑別の方法としては、まず「屈折率」があります。
宝石の中に光が入ると折れ曲がります。
それぞれ石により屈折率に違いがあり、この屈折率で大方の予測がついたりします。

合成石などにも似たような屈折率を示すものがあり、勿論これだけでは判断はできません。

ちなみに、ダイヤモンドの屈折率は、約2.42で、非常に高い屈折率を持ちます。

「偏光性」
一定方向のみに振動する光(偏光)を利用して、その石の種類により、宝石に光が入ったときに(斜めに)、それが1本のままで進むのか、2本に分かれるのかを調べます。

1本で進む傾向を「単屈折性」といい、分かれるのを「複屈折性」といいます。
(自然光は、あらゆる方向に振動しています)

「多色性」
複屈折性のある宝石の色を見たとき、方向によって色が異なる性質を持っているものがあります。

多色性の石は二色の異なる色を示し、宝石によるそのコントラストの違いを判断します。

「蛍光性」
宝石に長・短波の紫外線を照射して、その宝石特有の蛍光色の特徴を調べます。
宝石により青っぽい色や赤っぽい色が現れます。

「分光性」
その宝石特有のスペクトル(光の分散による配列された色帯)を検査して識別します。
同じような色に見えても、その成分によって吸収性に違いがあります。

大雑把に言えば、その宝石の着色原因となる特徴を調べるわけです。
スペクトルカラーのバンド(帯)にそれぞれの特徴が現れ、判断します。

「拡大検査」
その名の通り、顕微鏡で数十倍に拡大して内部の検査を行うものです。
宝石内部の「インクルージョン(内包物)」を観察します。合成のものもこの検査で合成特有の状態・現象が現れ識別できます。


このような検査の検査結果が「鑑別書」に記載されていると思います。
これに、「鉱物名」や「宝石名」、「開示コメント」、「カット・形状」、「重量(カラット)」(セット石の場合は刻印の数値)、寸法等が記載され、「鑑別書」として発行されます。

ダイヤの場合は(ルースの場合です)、これも前述しているように、「4C」の等級が示されていて、図で示されたプロポーションやガードルの厚さ、キューレットサイズ、仕上げ状態及び、蛍光性などが記載され、鑑別書共々「写真」が添付されて、「鑑定書(グレーディングレポート)」が発行されます。


ちなみにカラーグレードは、基準となる「マスターストーン」を用い識別します。
「E−F」「F−G」「G−H」「H−I」「I−J」「J−K」の各色の中間の色を持つグレードになっています。

カラーグレードもそうですが、「クラリティー(透明度)」も非常に判断が難しいものです。
VVSよりのVS−1もあるでしょうし、VSよりのVVS−2もあるでしょう。

もちろん、まず区別がつかないくらいの差ですけどね。SIクラスはやや幅があると思います。
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2010年05月12日

「デビアス」の功績 二十世紀に最も成功した広告

ダイヤの人気を決定づけた最高のキャッチコピー


「デビアス」は市場に出す原石の供給量をコントロールすることにより、価格カルテルを支配しています。

この圧倒的且つ、独裁的な権力はマイナス面はあれど、逆にダイヤモンド業界にとって安定した価格が維持できるプラス面も存在してきました。

小売業に限らず、商売人にとって「価格の安定と維持」は、販売力・営業力などは取り合えず置いておくとして、多くの者、多くの会社・企業が望んでいることも事実でしょう。

そして「デビアス」がダイヤモンド業界に貢献していることはこれだけではありません。


デビアスが力を注いできたことのひとつに、人々の欲望と虚栄心をさらに焚き立てる「広告戦略」があります。

商品を販売するためには、商品そのものの良さと価値だけでは十分ではありません。
ましてや、価格がある程度コントロールされているとはいえ、毎年膨大な量が採掘されている商品です。

ダイヤに限らず、商品の販売戦略のひとつとして「広告」は重要な役割を担っています。


1930年代の末、デビアスの当時の皇帝、「アーネスト・オッペンハイマー」は、ニューヨークの広告代理店と契約し、当時低迷していたアメリカでの販売戦略を強化しました。

その広告代理店は様々な魅力的な広告キャッチコピーを世に送り出してきましたが、中でも40年代後半にその広告代理店の女性コピーライターがひねり出した短いキャッチコピー
「ダイヤモンドは永遠の輝き」 は、ダイヤのキャッチコピーの代名詞とも言え、二十世紀最高の広告と言われました。

その広告代理店、そして「デビアス」の広告戦略は、「愛」と「永遠性」と「ダイヤ」を上手く結びつけ、「男性の顧客」と「求婚・婚約・結婚」、そしてそれに伴う「慣用性」を見事に結びつけることに成功しました。

ダイヤのイメージと価値をさらに高め、今日の宝石業界に与えられたその恩恵は大変大きなものだったと言えます。


ダイヤの価値が認められ、さらに「贈り物」としての慣用性が高まることにより、「結婚」以外のイベント時期(バレンタインデーやクリスマスなど)にも利用されるようになりました。

さらにもうひとつの付加価値として、ほとんど指摘されていないことですが、宝石を求める「男性客」が多少なりとも増えたということも挙げられます。

女性に贈るため、「求婚・婚約・結婚」のための贈り物として男性客がターゲットになって、顧客となったのは当然なのですが、実はそれだけではありません。

元々が男性はコレクション好き、物集め好きであり、日曜大工などに使う道具を必要以上に集めたり、沢山の用途の釣竿を集めたり、ミニカーを集めたり、パソコンの機械そのものに凝ったり、女性以上に物に「こだわり」を持ち、女性以上に「凝り性」なのが本来男性のサガといえます。

子供の頃、そこらに転がっている単なる石にも、より興味を示したのは男の子の方ではないでしょうか?

それまで、宝石などに興味がなかった男性の中でも一部の人は、女性に贈るものとしてではなく、「自分自身がコレクションするため」に購入するという人も増えたのではないかと思います。

たぶん普通の人が思っている以上に、宝石の「男性ファン」は意外に多いですよ。


「高級品」を求める人間の欲望も途切れることはありません。

その欲望と興味に一役駆っているのが、「クリスティーズ」や「サザビーズ」などのオークションです。

様々な品が取引されるオークションですが、その中で特に高額なエスティメイト(落札見積価格。過去の実績や現在の市場動向、出品物の状態などからの落札予想参考価格のこと)が提示されている品があります。

一部の大金持ちだけが権利を持ち(そうじゃない人はそれに参加するだけの「資金がない=権利が必然的に持てない」という意味で)、高額なる特別なダイヤなどの取引が行われる度、人々は宝石及びダイヤモンドにさらなる憧れと価値を見出すことになります。
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2010年05月13日

「宝石の価格」と「物の値段」

宝石の価格と注意点


宝石の値段はまちまちです。
ルース自体の質や大きさが違うのは当然ですし、枠のデザイン・材質、及びブランド料等により変わってきます。

また、同じような商品でも買う時期により変わります。
為替相場により輸入原価が変わってきますし、プラチナ・金の相場もまちまちです。

宝石を御求めになる場合は、あらゆるお店の値段を把握し、宝石のグレードによる大体の値段の相場をチェックしておいて下さい。

沢山見ているうちに、いつの間にか大方の値段に対する勘が働くようになってきます。


また、最低でも「プラチナ・金」の現在の相場も把握しておいたほうがいいでしょう。
その宝石の重量も重要なチェックポイントだと思います。

宝石の重量のかなりの部分に、枠に使用する「プラチナ・金」の重量が占めています。

「ルースの値段」、「加工賃・デザイン料」プラス「利益」の上乗せなどにより全体の値段が出てきますが、重量を把握することにより、その宝石に占める大方の貴金属部分の「値段・価値」をつかむ事が出来ます。

仮に宝石を売却する場合、買い取るお店の方はルースの価値を見定めるのは当然ですが、重量から貴金属の値段を算出しそのお店なりの利率を差し引き買い取り額を計算します。

重量を把握することにより、枠の部分を除いた大方の値段 ( 「ルースの値段」、「加工賃・デザイン料」プラス「利益」等 )が把握できますし、もし売却する場合(ずっと持っている場合も多いでしょうが)は、買取額というのは購入額より相当落ちるので、貴金属の値段が占める割合がグッと高くなります。

まあ、通常は売るつもりでは買わないでしょうから、いちいち売る時の事までは考えなくてもいいのですが、買う時の値段の把握ができ易いというという意味でチェックしておく事をおすすめします。


それと、宝石の値段は最終的な価格で判断すべきです。

いくら値引きをしてくれたとしても、元々の値段が高ければ可能なのですし、逆に値引きをまったくしてくれないお店でも最初からお客さんの事を考えギリギリの値段を提示しているお店もあります。

その意味で、値引きを沢山してくれるから良心的とは限りません。逆の場合も多々あります。

「何々キャンペーン」だとか「大幅値引き」、「赤字覚悟」、「原価割れ覚悟」など、様々な謳い文句で販売促進しているお店もあるでしょうが(そのようなお店が疑わしいという意味では決してありません)、惑わされないよう、商品をよく吟味し「最終的な売値」で判断するよう心掛けて下さい。

また、宝石店は照明効果を考えて宝石がより輝くようにしていますので、特にダイヤなどもそうですが、よくグレードを吟味し「バランスの取れたグレード」を選んでおけば間違いないでしょう。

あとは、やはり店員さんの態度と何よりも自分が気に入った商品が一番です。
ホンの少し「奮発」してでも、自分が凄く気に入った商品で店員さんの対応も誠実ならば、とても満足の行く買い物が出来るのではないでしょうか?


物の値段と価値

宝石というのは置いといて、物の値段というのは、様々な条件により変わってきます。
仕入れに掛かる様々な経費はもちろんですが、売れる頻度や扱う数・量等。

大手が安くできるのは、大量仕入れや大量販売等によることで値段が下げられ、薄利多売の戦略ができることも大きいですが、職種により大手企業の大所帯だけに営業経費が莫大に掛かり、名の売れた所のほうが高い場合もあります。

その場合は、大手しかできないようなアフターサービスなどのフォローや、ブランド力、ブランドから来る信用と安心などで、小さな企業や個人のお店との差別化をしていたりします。

大手の激安の家電屋さんなどが、あれだけ安くできるのは、物によっては赤字でも売っているからです。
何故それができるのかと言うと、決められた一定数量以上の数を売ればメーカーからバックが入るからです。

大量販売すればメーカー側が、ある程度の利益還元を約束してくれるシステムが確立されているのです。

赤字の値段で売られたら個人商店は太刀打ちできませんね!


また、商売で経営者の一番の心配の種となる経費は「人件費」です。

サラリーマンの方には想像がつき難いと思いますが、職種によってはこの人件費率がものすごく高い職種もあります。

そのような職種では、少々成功したところでボロ儲けはまずできません。
皆、人件費を削るため経営者は涙ぐましい努力をしています。

あらゆるお店に行ってみて、必要以上に従業員がいると思える会社は、その分商品の価格にも上乗せされているはずです。
あるいは、そのような経営をしているところは、もしかしたら経営困難に陥っているかもしれません。

住宅の大手ハウスメーカーの値段が決して安くはない理由も分かると思います。それどころか高いです。

物の値段も、そのような「職種の違いから来る値段の在り方や経費のかかり方、さらに流通経路」などを観察し、よく考えながら吟味すると、やや高くとも非常に良心的な会社もあるという事も少し判断できるようになってきます。

単純にその「値段のみ」を見るだけでは、その会社が真の意味で良心的なのか頑張っているのか、あるいはよい会社・よい経営者なのかは見えてきません。

宝石に限らず、一度そのような観点で色々と見比べてみるのも面白いと思いますし、色んな「気付き」もあるかと思います。
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2010年05月14日

King of the貴金属 「金」

貴金属の王様 「金」「Gold」の特徴

ジュエリー製品と大変深い関係にある「金」の価値は「普遍性」にあります。

鉄のように錆びて朽ち果てたりしませんし、通常の酸にも侵されませんし、変質性のない「安定性」を持った金属です。また、熱伝導率が高い。

古代に栄えた文明の人々も「金」は特別なものとして崇められていました。

金が持つ「普遍性」は人間が持ちえていない「永遠性」に解釈され、「不老・不滅」のシンボルとされたのでしょう。


「金」の特徴のひとつに、その軟らかさから来る「延性」があります。
つまりよく伸びるという事です。数十ミクロンまで薄く引き伸ばされ、半導体などの最先端の工業技術の資材によく利用されているのはご存知だと思います。

純金たった1グラムで約0・49uに広げられると云われます(展性)

金箔や蒔絵、陶磁器など工芸品にも昔から使われていますし、古い寺院などの建築物にも使われてきました。日本画にもよく使われますね。

素晴らしい特徴を持った「金」ですが、その埋蔵量と産出量は少なく大変貴重なもので、今日でも再生利用の必要性の気運がさらに高まっています。


また、もうひとつの「金」の特徴に「重さ」があります。
金の比重は「19.3」と非常に重く、見た目の大きさに比べ、ズッシリしています。

ちなみに、コンクリートの比重は「2.3」で、木材の中でも非常に重い部類に入る黒檀でも「1.3」です。(水が1)

ある程度の大きさの黒檀の板あるいは柱などを手に持ったことのある人は分かると思いますが、相当な重さです。
いかに「金」の比重が大きいかが分かると思います。


ジュエリーに使われる「金地金」で、100%の純金を「24金」というのはご存知だと思います。

「18金」は24分の18が純金という意味で、18÷24=0.75 合金の中の75%の純金が含まれるのが「18金(エイティーン・カラット・ゴールド)」です。

ちなみに、工業的純金は99.99%の純金のことをいい
「フォー・ナイン(フォア・ナイン)」と呼ばれています。
また、造幣局の刻印で「18金」は「750」 (750/1000のことですね)と刻印され、この刻印を通称「ホール・マーク」といいます。


ジュエリー製品は「24金」を使わず「18金」を使う場合が多いですが、大きな理由は硬さの問題です。
「24金」では軟らか過ぎ、キズもつき易いので合金を使うようになりました。

特に覆輪止めではなく、爪止めの止め方が普及してきた現在では、よけい硬さが求められたのだと思います。

近年では1%の「チタン」を混ぜて硬さを確保した99%の純金もあるようです。
「チタン」は豊富な金属ですし、強さ・耐食性・耐熱性等があって多様性・多目的性があり、とても便利?な金属で様々な用途に使われていますね。


「人々を魅了する価値ある金」

「金」が持つ顔は、工業製品や工芸品などに限りません。

「金」は「有事の金」とも呼ばれているように、不況時やドルの価値が下がったような時、あるいはどこかの国で戦争・紛争が起きた時でも強いと云われています。

その意味でも「安定性」と「普遍性」、「永遠性」を持った王様といえるでしょう。

投資のプロ・セミプロ、あるいは一般の方にも、財産性が高く手堅い投機商品として根強い人気があり、センスのある人は相当な儲けを出している人もいるようです。

「金丸信 元自民党副総裁」が東京地検から家宅捜索を受けた時、事務所の金庫から金の延べ棒が沢山見つかったのは有名な話ですね。
ちなみに、この金塊は「フォー・ナイン」だったと云われています。


1848年ころ、カリフォルニアで起きた「ゴールドラッシュ」は有名ですが、そこで本当に儲けたのは「金・ゴールド」を掘りに来た人々ではなかったというのも、よく耳にする話で興味深いです。

掘りに来た人に「ツルハシなどの道具を売った人」が大儲けしたり、金を掘るのに破れ難い「リーバイス」が発明されたり、自分で掘るのではなく「掘りに来た人をターゲットにした」様々なビジネスアイデアが生まれ、そのビジネスチャンスを上手く生かした人が誰よりも儲けたのだそうです。

このような「金」にまつわるエピソードは絶えません。
様々な意味で「金・ゴールド」は私達に夢を与えてくれるようです。
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2010年05月17日

ダイヤモンドの近代的価値

ダイヤモンドの近代的価値・産業的な貢献


ダイヤモンドは近代産業になくてはならないものです。

自動車、航空機、兵器、建設機械、医療用機械・器具、セラミック製品、その他諸々、耐久性を必要とされる産業部品の切断や研磨等はダイヤが必要とされるからです。

耐久性を必要とされる部品・部材は、それ自体がかなりの強さと硬さを備えている場合が多い。

また、精巧な研磨面を必要とされる場合等、様々な用途としてダイヤモンド(あるいは人工ダイヤモンド)が利用されています。
(加工にダイヤが適さない合金等もありますが、現在ではそのような用途にも対応できる人工ダイヤも開発され使われているようです)


熱伝導性等に優れたダイヤは、トラブルが許されない重要なものの配線機器等の一部にも使われたりします。

「NASA」の最先端機器などにも使われ、侵食性がなく透明性の高い性質を持っているので、衛星のレンズカバーなどにも使われるそうです。

産業界に不可欠だということは、極端に言えば国の工業的・産業的発展にも関わってきます。
精度の高い「航空機や近代兵器」を開発しようとするならば尚更で、国家間の重要なパーワーバランスにも関わってきます。

原産地がアフリカに集中していた当時、アメリカは冷戦時にソ連などの東側に供給されるダイヤモンドなどを阻害する政策を取ったりしました。

コストを抑えた人工ダイヤなどの技術が現在ほど発達していなかった当時では当然の国家戦略だとも思いますが、逆にこのことがキッカケとしてソ連は多くの「キンバーライトのパイプ」を発見することになります。

アメリカ一国だけが群を抜くスーパーパワーを持ち続けるのは、世界にとって計り知れないメリットもあるのですが、非常に危険でもあります。

神様が上手くパワーバランスを崩さないように働きかけたのでしょうか?


ちなみに、冷戦終結以降、アメリカはアフリカ諸国に対し軍事的関与を強めました。
その目的はダイヤモンドをはじめ、コバルトやクロム、プラチナ・パラジウム等の白金、そして「石油」などの資源です。

エネルギー資源の豊富な国々への積極的な軍事的関与は、戦略的輸送路の確保等も強固にします。

大義名分は「テロからアフリカを守ること」でしょうが、誰もそのような謳い文句は信じてはいないでしょう。

また、政治的影響力を持つ産業界の意向が、国民の利害に優先する場合は多々あり、特にアメリカの「軍産複合体(ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス)」の権力は絶大です。
(元アメリカ大統領であるブッシュ父子も石油産業及び軍事産業と非常に深い関わりがあります。
この事と、9・11事件後のイラクに対する過剰な反応と無関係ではないように思います。)



2164429922_364b76528f.jpg「ミールヌイ鉱山」(キンバーライト)
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話が少し飛んでしまいましたが、大いなるロシアで「ミールヌイ(ミール)鉱山」(サハ共和国)が発見されたことをはじめとして、その後も次々に「パイプ」が発見され、ロシアも有数なダイヤモンドの産地の仲間入りを果たしました。

ロシア産のダイヤのほとんどは「サハ」から採れるものですが、比較的グレードの高い上質の原石が採掘されると聞きます。


エピソードとして、当時ロシアはダイヤモンドと他の石を振り分けるのにX線を利用した装置を開発したそうです。
ロシア側は国家機密とし、その事を知らなかったダイヤモンド産業界は、急激に市場に現れるようになった「ロシア産ダイヤモンド」に相当な危機感を抱いていたようです。

それはロシアが、「低コストのダイヤモンド合成技術を開発したのではないか」という噂が立ったからでした。

ダイヤモンドが商品となり店頭に並ぶ、あるいは、消費者・お客さんの手に渡るまで、採掘の調査から加工、枝葉に分かれた流通経路等、様々な手間とコスト・工程を経て、お客に渡るものですが、ダイヤそのものの価値だけでなく、気の遠くなるほどの工程故に希少性と価値が更に増すのも事実です。

それが根底から崩れることになれば、ダイヤモンド業界にとって一大打撃となります。
しかし、当時人工・人造技術は途方もないコストが掛かるので、これは噂に過ぎませんでした。
(現在は工業用としての人工ダイヤは多目的に利用されています)


ダイヤモンドは自然の産物・鉱物としては「金・ゴールド」ほどは希少ではありませんし、工業製品としての需要も人工ダイヤ等の技術が発展した今日では高価なものではありません。

生活必需品でもない宝石は、ある意味消費者の価値観でしかないといえます。

ですが、顧客を含めたすべての宝石に関わる人達にとって、他の鉱物にはない「類稀なる特徴を持った」ダイヤモンドが特別なものであるのに変わりはありません。

多くの人々にとって特別な意味を持ったこの宝石の価値観は、今後も「永遠の輝き」を放ち続けることでしょう。
posted by マーキス at 22:07| Comment(3) | TrackBack(0) | ダイヤモンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月19日

「プラチナ」 宝石を彩る美しい白金

ジュエリー製品に不可欠な「プラチナ」


指輪やネックレス等、今日のジュエリー製品にとってなくてはならない存在が「プラチナ」ですね。

プラチナは千分比で表され、「Pt900(900/1000)」などと表現されます。
造幣局の「ホールマーク」【「日の丸」「900」「Pt」】などと刻印されます。

「プラチナ」はカラット表記はされません。
(商売上の商品説明として会社によっては、あえてパンフレット等に載せる場合はあるでしょうが)

「プラチナ」も「金」と同じく、100%の純プラチナでは軟らかいので(金よりは硬いですが)、パラジウム等を混ぜた、「950・900・850」の合金が使用される場合が多いです。


「金」のように古くから親しまれてきたものと違い「プラチナ」が使われるようになった歴史は浅く、17世紀中ごろからと云われています。

プラチナの特徴は「金」よりさらに重い比重で、金の「19.3」に対し「21.4」もあります。
「金」も重いですがさらに上を行くのが「プラチナ」です。

また、融点も「1769°」と高く、通常の火事では熔けません。
融点が高く優れた触媒作用もあることから、自動車のマフラーなどにも使われていて、工業界への需要も大変多いといえます。

さらに、耐食性があり膨張係数の少ない特性から「メートル原器」「キログラム原器」にも採用されており、その外的影響を受けにくい優れた特性から医療用機器や実験用具等をはじめ様々分野に使われる大変優秀な?金属なのです。

それまで頻繁に使われていた白い色の金属である「銀」は、空気中の成分と反応・化合して黒ずんでくる特徴があり、ジュエリー製品としての大きな欠点を持っていますが、美しい白さが永遠に変わらず続き、加工性と粘り強さに優れた素晴らしい特性を持った金属の「プラチナ」の登場によりあらゆる問題が解決され、この美しい白金はジュエリー製品として重要で大きな位置を占めることになりました。


その優れた特性と金以上の希少性(金も相当希少ですが)及びその比重の重さから、グラム当たりの相場も非常に高く価値のある金属です。

また、我が国日本では特にこの「プラチナ」の需要と人気が高く、カメラ等の光学製品は「プラチナ」が日本の優秀な技術に大きな貢献をしていますし、ジュエリー製品としての需要はどの国よりも多く特別な地位を確立しています。

外国では「銀」の渋さも大変好まれるようですが、日本では高級感とその美しさのイメージが確立されているようです。


「プラチナ」は高価で希少なことから代替品として「パラジウム」も使用されることから、相場の動きは供給側の要因は当然としてパラジウムの動向にも左右されるようです。

金融危機の影響を受けたときは、「プラチナ」も大きく値崩れを起こしましたが、大分回復してきましたね。暫くは堅調に推移して行くのではないでしょうか?


それにしても、金融危機の時の「金」の強さにはあらためて感心しました。

確かに、いかに「金」でも値崩れも起こしますが、「金」以上に希少な「プラチナ」をよそめに、金融不安が懸念される中での「金」の全体的に感じられた強さは他にないものだったようにも思います。
「有事の金」の面目躍如といったところでしょうか?

相場の多少の浮き沈みは別として、「プラチナ」の需要は、環境問題に直結する自動車産業をはじめとして高まるばかりでしょうし(代替材料を含め)、宝石業界の需要も揺るぎないものです。

近年電気自動車も台頭してきましたが、白金使用量の低減の開発を考えても、まだまだその需要はゆるぎないものだと思います。

パラジウムの触媒能力は低く、代替材料としての使用広大にはまだまだ難しいものがあります。
また、進境著しい中国も「金」と共に「プラチナ」の需要も高まってきました。

「金」に比べまだリサイクルの観念が薄い「プラチナ」ですが、今後のリサイクル率は高まるいっぽうだと思います。
それに伴い「プラチナ」を含めた白金の価値は益々高まることでしょう。

生産国の南アフリカ・ロシア・ジンバブエ等の政策やアメリカの動向が大きく関わって世界に影響を及ぼすでしょうし、アメリカは、産業界でのイニシアチブを握ろうと今以上に躍起になることでしょうね。

また、これからは、代替品の開発にもかなりの焦点が向けられるのではないかと思います。
posted by マーキス at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 貴金属 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

婚約指輪のネット販売開始 「カリタス」

今回のお話しは、コメントに投稿していただいた「カリタス株式会社」様のご紹介です。

ブライダルジュエリーにおいて、オンライン販売に特化し様々な経費を最大限削減することによって、高品質のダイヤモンドジュエリーを誰もが利用できる価格で提供しています。

サイトを実際に拝見して、個人的にとてもよいお品だと思いましたので、今回ご紹介させていただきました。


詳しい説明・プレスリリースはこちら↓
「カリタス・プレスリリース」


また、ダイヤに関して非常に詳しい「PDF小冊子」「カリタスサイト内からダウンロード」できるようになっています。

「ダイヤについてのオリジナルE-ブック電子書籍」


正直な感想として、この高品質のグレードとしては大変良心的な価格だと思います!(少し驚きました)
他のお店のブライダルジュエリーと比べてみてください。通常の店舗のブライダルジュエリーのグレードで、このお値段はまず見ないです。
全国送料無料で、30日以内の返品保証もあるそうですよ。

「カリタス」ホームページ

是非のぞいて見て下さい! (byマーキス)
posted by マーキス at 18:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「トパーズ」 火の石

透明感のあるポピュラーな宝石

古代エジプト人はトパーズを浄化してくれる石、神秘的な力で病気を治してくれる宝石として崇めていました。

トパーズの産出国は、ブラジル・ロシア・パキスタン・スリランカ等で、日本名は「黄玉」といいます。

モース硬度は高いほうですが、劈開性があり衝撃には弱いです。

黄色・茶色・赤ピンク・緑・無色 などの色を持ったものがあります。
日本名からして褐色系の色を想像しますが、市場に出回っているものは、「ブルートパーズ」が多いように思います。

天然のブルーは非常に稀で、市場に出回っている「ブルートパーズ」は、ほとんどが放射線照射されたものです。
透明感のあるこの美しいブルーの宝石は、比較的安価なこともあり、安定した人気があるようです。

P1030688.JPGスイスブルートパーズ
(少し濃い目に写っています)




ブルートパーズはその色の濃さなどから、「スカイブルートパーズ」「スイスブルートパーズ」「ロンドンブルートパーズ」などと呼ばれ、やや濃い目の「ロンドンブルー」は人気があります。

濃い色目の天然色のブルートパーズ(ロシア産)もあるのですが、とても希少でほとんど見かけません。

この人工的処理の美しい「ブルートパーズ」のおかげで?トパーズの宝石は世界的にもポピュラーな地位を築いたといえるのだと思います。


トパーズには「OHタイプ」「Fタイプ」があり、「OHタイプ」は、いわゆる「インペリアルトパーズ」のことです。

シェリー酒の色合いをした綺麗な宝石で、トパーズの中でも非常に高価なものになります。
「インペリアル」の名を称するものは、現在では「OHタイプ」のものを示すようになり、独特のシェリー酒色だけでなく色の範囲が広がりました。

多くのトパーズは「Fタイプ」で、フッ素が多く含まれている意味であり、カラーレスのトパーズに放射線照射処理が施されている場合が多いです。
(たまに「シトリン」にトパーズの名前を付けられているものがありますが、あくまでもシトリンであってトパーズではありません)


ポルトガルの王冠に飾られているカラーレスのトパーズは1600カラットを超える宝石で、「ブラガンザ・トパーズ」と呼ばれていますが、最初はダイヤモンドと間違われていたそうです。
ダイヤと見分けがつき難いとても輝きのある宝石だと云われています。

とても綺麗で比較的安価な宝石なので普段使いにもよいのではと思いますが、衝撃には気をつけて下さい。



今回、左の「日記のカテゴリー」として、婚約指輪のネット販売を開始した「カリタス」様をご紹介しています。
のぞいて見て下さい。

カリタス様ご紹介ページ
posted by マーキス at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | トパーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月25日

ASEAN地域の発展と日本の今後

メコン回廊プロジェクト

ご存知の通り、「タイ」や「ミャンマー」などの東南アジア諸国は宝石業界にとって重要な国々であり、魅力的な様々な宝石・ルース等を提供してくれる国々です。

タイ・ミャンマーの他、ベトナム・ラオス・カンボジア等のインフラ整備が活発化しており、年々インフラ投資の割合は高まっています。

それまで貧弱だった、物資を輸送する物流網の発達を促進するため、「東西回廊プロジェクト」が計画・実行されました。
メコン回廊.jpg「メコン回廊」



メコン川流域に位置するこの国々を結ぶ、壮大な幹線道路プロジェクトであり、この地域の物流・輸送が激変します。

「ベトナムのダヤン」からタイを横断し「ミャンマーのモーラメイン」まで結びます。

そして日本はこのプロジェクトに多大な資金援助をしているのです。
(平成18年に設立した「日本ASEAN統合基金」から2000万ドルを無償で供与!)

また、「ベトナムのホーチミン」からプノンペンを経てバンコクまでつなぐ「第二東西回廊」も開通し、 「第二メコン国際橋」は日本のODAにより建設されました。
第二メコン国際橋.jpg「第二メコン国際橋」



「東西回廊」によりベトナムの東側のダヤンからタイのバンコクまで高速道路網ができ、産業物資等の物流事情は激変し、インドシナ半島の大きな発展につながることと思います。



さらに注目すべきなのは、もうひとつのプロジェクト「南北回廊」です。
これは中国南部の雲南省とバンコクを結ぶ壮大なプロジェクトです。

中国が資金援助し、全長約2000キロにも及ぶ計画で、2011年に全てが完成する予定だそうです。

この物流網の発展により、宝石業界を含めた様々な産業にどのような影響が現れるのか。今後も目が離せないでしょう。
特に中国を結ぶ、この「南北回廊」が重要な意味を持つような気がします。

日本と中国がこの地域に積極的に関与し、それぞれの重要なイニシアチブを握るのでしょうが、大陸がつながっている中国にある意味での分がある部分があるのも事実だと思います。

この「メコン回廊地域」に中国製品が溢れるのは必至でしょうし、この地域の低賃金(カンボジア、ラオスはタイの5分の1の水準です)を企業活用することなどからくる経済全体の流れ。宝石・貴金属等の流通もどうなって行くのか。
それに及んで日本がどのような産業的流通経路を確保し、どのようにイニシアチブを握ってゆくのか。

日本の企業にとっても、物流網が確保された低賃金の地域での工場建設等のメリットは大きいでしょうね。

今までインドシナ半島の地域とのみ行われていたような産業取引も、今後は中国も交えた取引も活発に行われるようになるかも知れません。
その行動・経済活動は鬼が出るのか蛇が出るのか・・・。

新たなビジネスチャンスも訪れるでしょうし、宝石業界への影響も小さくはないでしょう。


ちなみに政治不安のある「タイ」ですが、ある企業で出向している知人によると、日本では騒がれている都心部や空港などでのデモや治安部隊との衝突なども、現地の人々の間ではさほど話題にはならない日常的なものなのだそうです!(本当かな?)

日本が平和ボケ過ぎるのか?、タイが麻痺しすぎているのか?
うーん、どっちもどっちなんでしょうね!
posted by マーキス at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界と日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

ダイヤの鑑定 揺れる業界、失った信頼

「全宝協」の鑑定かさ上げ問題

「全国宝石学協会」が、ダイヤの「カラー」を甘く鑑定し、評価をかさ上げしたという衝撃的な問題が起きました。

宝石鑑定においての大手であり、俗に「A鑑」と呼ばれ、消費者・業界共々多くの人々に信頼されてきた機関です。
宝石・ダイヤモンドの鑑定に関しての信頼性が著しく侵される由々しき行為であり、大変な問題です。

この背景には、輸入・卸業者、小売業者との癒着があったのは明らかでしょう。
どちらも、鑑定で高く評価されればその分高く売れるわけであり、利益が上がるのは当然です。

いっぽう、鑑定機関には信頼を損なうデメリットはあれど、メリットはありません。
その危険を冒してまでそのような暴挙に出たのは、報道でも述べられているように癒着、あるいは圧力が掛かったのでしょう。

他の業者に思惑があることは置いといて、鑑定機関は確固たる信念と誇りを失ってはいけない業界です。

ただ、昨今の不況から鑑定機関も過当競争に晒されているのは間違いありません。
役所等の公的機関の確認作業(これとていい加減な部分が多々あります)とは違い、民間の機関ですから確かに経営的に厳しい部分があるのは否めないのでしょうが、あってはならない事です。

「全宝協」側は「他社や基準石と比べて、自社評価が厳しすぎる傾向があり、許容範囲の修正を07年2月に決め、全社に指示を出した」と説明。
しかし、「全宝協」の評価に対して厳しすぎるとう意見は聞かない。

「他社とのずれを許容範囲内で微調整するため」などと説明しているが、マスターストーンに基づく基準と判断に自ら勝手に修正していたという事です。
判断基準に問題があるのならば、業界を束ねる協議会に意見・調整を求めるべきであり、独自の判断で暴走すべきではない。


平成19年2月から20年10月までの間に鑑定したダイヤの再鑑定を実施するとのことですが、カラーストーンに関して世界屈指の実力を持ち、パパラチアサファイアの鑑定での第一人者ともいわれる「全宝協」に対するこの問題の対処が遅すぎたのは否めません。

約3年越しの遅すぎた協議会の判断と対処。再鑑定の対象となるダイヤを協議会が探し出すのは容易なことではないでしょう。

「A鑑」以外の鑑定機関の鑑定はもっと酷いところは沢山あるのでしょうが、「中央宝石研究所」と並んで皆の絶大な信用と信頼を得てきた「全国宝石学協会」のこの問題は大変大きなものです。

「宝石鑑別団体協議会」の土居会長が記者会見後、「夢であって欲しい。悪夢です」と言って会場を後にしたらしいですが、業界にとってこの激震は、まさに青天の霹靂だったのでしょう。
posted by マーキス at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 宝石の鑑定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ダイヤの鑑定 望まれる信頼の回復

先の記事投稿で題材にした「全国宝石学協会」のダイヤのカラーの鑑定かさ上げについて。


「ダイヤのカラーグレーディング」
ダイヤのカラーグレーディングは、マスターストーンを基準としながらグレーディングに適した光源を放つライトを適切な明るさ(lx)で使用して識別します。
(自然光では、北からの彩光(光源)がよいと云われています。現在はディライトを使用した機械光です。)

マスターストーンは「パヴィリオン側」を上向きにセットされています。
「クラウン側(テーブル側)」を上にすると輝きと反射が強く、正確な判断が難しくなるからです。

また、測色する部分の面積により、大きい面積の場合は小さい面積に比べ、明度・彩度ともに高く感じる「面積効果」と呼ばれる色の見え方が生じるので、大きさと観察距離に注意しなければなりません。
(大方の決められた測定距離がありますが、測定者により独自に微妙な違いがあると思います。)

識別の際の背景色も非常に重要なので、とうぜん統一された背景色の中で識別されます。(白いソーティングパッド)

熟練の能力と技術が必要な鑑定であり、測定器などで機械的かつ正確な判断が簡単に出来るようなものではありません。

「全国宝石学協会」が行ったカラーグレードのかさ上げも、我々から見たらホンの僅かなものなのでしょう。
(もちろん、それこそが重要なことなので問題になっているのですが)

たぶん今後は光学機器などにより、熟練度やその時々の調子等のバラツキをなくすことが出来るよう、高度な測定機器が開発・使用されるようになって行くと思います。


ちなみに「色の色彩」には、「色相(ヒュー)」「明度(バリュー)」「彩度(クロマ)」「三属性」があり、赤・緑・青の色を混ぜると白くなる「加法混色の三原色」とシアン・マゼンタ・イエローを混ぜると明るさが減って黒くなる「減法混色の三原色」があります。

科学的なことは分かりませんが、上記の色彩に関する波長(色相に関係)や反射率(明度に関係)等、およびその他の様々な数値的データのによる客観的な判別など、宝石の測定に適した様々な光学機器が今後も開発され、使用されるのだろうと予測します。


さて、「全国宝石学協会」の大きなこの問題は、業界ではどのように見ているのでしょう。

私個人的な感覚としては、今でも「全宝協」にはある種の信頼を持っていてそれは変わりません。

鑑定機関は色々ありますが、自分なら今どこの鑑定機関に鑑定を依頼するかというと、やはりどことも知れない機関より「A鑑」の「全宝協」の方を信頼するだろうというのが正直な感覚・気持ちです。

個人的には、何かの宝石に鑑定・鑑別書等がなく新たに依頼する場合、厚い信頼を寄せていることと地理的な近さ等の理由により、私の場合は「中央宝石研究所」に依頼することがほとんどですが、近くにあれば「全国宝石学協会」にも今でも依頼すると思います。

名の通っていない機関では、新たに鑑定依頼する気にはなれないのが正直な気持ちです。

そのような中にもよい機関もあると信じたいのですが、その機関を評価するだけの「資料・知識、あるいは評判」など、その機関自体の評価資料があまりに乏しく評価のしようがないのです。

また、業界全体の信頼がやはり「A鑑」に集中しており、例えばどこかの業者にその宝石と鑑定書等を見せた場合、名の通っていない検査機関の鑑定書では評価が明らかに下がるだろうからです。

決して他の機関を悪く思っているわけではありません。
ただ、甘い鑑定をする機関が多いという噂も聞きますし、評価資料の有無と業界全体の意向等により仕方がない部分があるのです。


「全国宝石学協会」が素晴らしい鑑定技術を持っているのは間違いありません。
「全国宝石学協会」はこれから信頼回復のため全力を挙げることでしょうし、そうなってもらいたいものです。

この鑑定機関が信頼回復してくれることが、宝石業界のためになると思いますし、業界全体皆がそれを望んでいるのではないでしょうか。

posted by マーキス at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 宝石の鑑定 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月29日

CHINA as No.1 中国の勢いが止まらない

《閑話休題》
堕ちてゆく日本 自信を持ち発展しつづける中華帝国

中国の勢いが止まらない!日本のGDPは2009年は2位の座を保っていましたが、中国は2010年日本を抜いて2位へなる見込みです。

サブプライム問題をキッカケに端を発した金融危機はあっという間に日本を含めた先進国、そして世界を飲み込みました。

唯一動じなかった中国は、特に自動車産業で生産・販売ともにトップに躍り出ました。欧米各国の企業が不況であえいでいる事を尻目に、青色吐息の大手部品メーカーを次々と買収しています。


差がかなり縮まったとはいえ日本の技術力はNo.1です。しかし、日本の企業のプラズマや液晶パネルの技術指導を伴った買収や日本が群を抜く省エネ機器のテクノロジーの提供など、不況であえぐ企業から技術の根本となるものを「底値買い」しているのです。

一人当たりのGDPは日本を含めた先進国が今でも中国よりはるかに上です。つまり、実質的な「質」では負けていない。

しかし、大国であるその大きさと「量」そして勢いを武器に、日本を含めた先進国の企業を「技術ごと」飲み込もうとしています。

日本が持つ、液晶パネルの大型化を効率よくする技術も中国は持っていない。
自国の技術革新だけでは日本を含めた先進国に追いつかないでしょうが、企業の買収等で効率よく高い技術を取り入れ育成することが出来る。

今まで安い労働賃金・労働力を提供し、他の国が営む「工場での量産の作業」のみ行っていたのが、大陸の利点を生かし、質が悪くとも安い製品を「量」でカバーし徐々に力をつけてきたのでしょうか?

ある意味日本を含めた先進国は、いわば「下請労働者」の「圧倒的な数・巨大な人口」から来る逆襲にあったと言えるのかも知れませんし、企業や製品の質の悪さから追いつけないだろうと高を括って舐めていたツケが周ってきたのかも知れません。

元々器用さのあるアジアの国ですから、次々と技術が裸になってくれば勢いづくのは当然でしょうし止まらないでしょう。

「アメリカに唯一媚びない国」でもありますから、下手な抑制を受けず自由なやり方で力を溜めてきた部分もあるのだと思います。

現在、「米国債保有高」「粗鋼生産量」「デジカメ生産台数」「ノートパソコン生産台数」「インターネット利用者数」「携帯電話加入者数」等、世界のトップに君臨しています。


中国では結婚・婚約以外でのジュエリー製品の伸びはまだまだですが、裕福層も増えてきたでしょうし、そのキャパシティーを考えると今後ますます需要が高まってくるでしょう。

中国で昔から人気のある「翡翠」は今でも人気の宝石ですが、中国は石そのものに思い入れがあるようです。

翡翠の鉱山の産出量もだんだんと枯渇してきていますから、これからも中国でさらに人気が高まる可能性が高い宝石です。



開発途上国の経済発展に貢献する事を目的とし、歴代総裁がすべて日本人であったADBアジア開発銀行の総裁の座も中国人に取って代わるかも知れません。

確かに現在は中国抜きで政治経済は語られませんが、日本人の勤勉さと誠実さは類稀なるものであり、他のアジアの国が発言権と権限を持ちすぎることに個人的には非常に危機感を持っています。

中国は世界一の経営黒字を誇る貯蓄大国であるにも拘らず、先進国のルールに協調する姿勢を見せていません。

一人当たりのGDPの低さを強調し、「まだまだ全体的には貧しい途上国」の姿勢をある部分では貫いています。
つまり、大国・先進国としてのリーダーシップと責任を持つことを、ある意味曖昧にしている訳です。

今や経済大国となった利点と途上国の利点を「美味しい所取り」しようと考えているのが、新しい「ビッグ2」の世界戦略と言えるのかも知れません。

では、このまま中国の躍進を手をこまねて見ているだけなのでしょうか?

中国にも大きな問題点があります。

一人っ子政策のため、今後は日本もそうですが中国も高齢化社会に突入します。
巨大すぎる中国は生活格差が日本などの比ではないでしょうし、中国人自身が認めているまだ成熟していない部分から来る社会保証等も整備が進んでいません。

今後の政策次第では、若者の労働力の激減は経済的な命取りになりかねません。

また、中国は環境問題に関する政策と根本的な思想が明らかに他の先進国より劣っています。
付け焼刃な対策だけでは、いずれ大きな問題となり国際社会から大きなしっぺ返しを喰らうのではないでしょうか?

石油が安く、また企業と役人の癒着も激しい中国では、環境問題の対策はなかなか進まないはずです。

ですが、軍事力を含め、国際社会にとって大変な力を持った中国の重要さは今後も変わらないでしょう。


経済的競争力はいつの時代も逆転は可能ですし、日本はそれだけの能力は備えています。

しかし、人偽的か社会環境から来るものかの違いはあるとはいえ、同じように少子化・高齢化が進む日本も他国のことは言えません。

社会は溢れるエネルギーと可能性を秘めた頭脳を持っている「若者」が支えるものです。
子供・若者の将来を考えない国は、取り返しのつかない大きなしっぺ返しを喰らうように思います。

イスラエルの創成期の首相「ベングリオン」は、何か重要な作戦があるごとに、責任者に最初に質問する言葉が、「若者はその作戦で何人亡くなる可能性があるのか」「どれくらいの尊い若者が犠牲になるのか」でした。

そのような指導者がいたからこそ、敵に囲まれ、攻撃を受け続けた小国が生き残ってきたのです。

政治家や官僚、及び優秀な人だけでは国は成り立ちません。
将来があり、そして国の発展を足元から支え誰よりも働き、社会にとって重要な役割を果たす「若者」を軽く見ている国は、いずれは衰退して行くでしょう。
posted by マーキス at 14:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月31日

砂上の楼閣 「中国株式会社」崩壊のシナリオ

再び《閑話休題》です。・・・あしからず

「未曾有の不動産バブルの行方」


「孔子も時に遇わず」 時代はこの国に好機と機会を与えるのでしょうか?

速すぎる成長は産業振興、人材育成等に対する投資・教育よりも、マネーゲームの資産バブルに陥り易い懸念があります。

将来の少子化・高齢化及び環境問題等と並んで、あらゆるエコノミストや経済評論家達が懸念しているのは、「第二のドバイか」と揶揄される不動産バブルです。

4月の主要70都市の不動産販売価格は、前年同月比12.8%上昇と11ヶ月連続でプラスとなり、不動産価格は上昇し続けています。

ニューヨーク・タイムズによると、その規模は昨年11月に信用不安を引き起こしたアラブ首長国連邦のドバイの「1000倍かそれ以上だ」といいます。

もちろん、中国側はこの概論に真っ向から反対し、中国政府の経済・金融調整能力を過小評価し、深い理解と客観的な分析を欠いていると反論しています。

不健全な不動産価格の高騰の仕方に懸念があるのは当然として、中国政府が発する経済指標に対する情報操作や虚偽の疑いも欧米諸国は持ち続けているようです。


民主主義国家ではない中国ですが、経済的形態で言えば資本主義社会に突入していますし、完全な自由主義といえないのかも知れませんが、市場を開放した自由主義の社会主義国家であるわけです。

ある意味それが中国の強さの一部でもあるのかも知れませんし、事の成り行きを見定める意味で不確かで難しい部分でもあります。


米フォーブスの長者番付で、他国が数を減らしているのを横目に、中国の大富豪の数はアメリカに次いで2位となりましたが、その4分の1は不動産長者です。

不動産価格の行き過ぎる高騰は、更なる経済格差・生活格差を生み、特権とツテ・人脈を持った一部の人間だけが巨万の利益を手にし、そうではない人々はさらに生活苦が増し、消費意欲が衰えることは必至です。

このようなバブルでは、行き過ぎたキャピタルゲイン(購入・売却の差益。例えば家賃などの不動産の有効活用運営による収益はインカムゲイン。)による収益が目的となる場合が常であり、収益還元法(注)の考えからくる値をはるかに超えた高騰はかならずや崩壊するであろうことは歴史が証明しています。


(注)(不動産の利益からくる、その不動産の適正な投資価格。賃料等の純利益を還元利回りで割り、収益価格を出す運用目安。
日本では周辺の土地を比較勘案することを基とし、その不動産の適正価格を決める「取引事例比較法」で価格・価値等が決められている場合が多いですが、その方法では投機目的等で外的要因が含まれた場合、その折々の価格は示せるが本来その不動産が持ちえる適正価格、及び将来的な投資・運用に関する適正な判断と適正な数値は示せない。)



不動産バブル、あるいは経済バブルはどのような事をキッカケとして崩壊するのか判りません。

何かをキッカケとして、中国の中流層及び貧困層からの暴動、中国を代表する企業の行き詰まりや国の大規模事業の頓挫等が絡み、不動産バブル崩壊を起爆剤に一大ケイオスに陥る可能性もないとはいえないでしょう。

今直ぐには起こらないとしても、これに少子化・高齢化問題からくる労働条件の悪化や環境破壊問題、南北朝鮮問題、あるいは政治不信等、なにが絡んでくるか判りません。

(ただ、話が長くなるので割愛しますが、民族紛争などは別として、大きな経済格差・生活格差自体は意外に問題にはならないような気がします。)


バブル崩壊は、それこそ泡がはじける如く国全体に瞬間的に起こるものでもありません。
どこかにその兆候が見え始め、それに対する対策等を怠り楽観視していると、いつの間にかに全体を飲み込んで行く事になります。

中国はその舵取りが出来るのか?

不況にあえいでいる他の国々も中国の早々の落ち込みなどは望んではいないでしょう。

今は中国頼みの部分も多いはずですし、中国の急速な落ち込みはダンピングによる更なる落ち込み、株価の暴落を招き世界経済に及ぼす影響は計り知れません。
たぶん実際にもすぐにこの勢いが衰える可能性は低いと思いますが・・・。


他の先進国とは違い、自国の自主ブランドを持っていない中国は、この勢いの中で自主ブランドを確立しようと国を挙げて企業を支援していて、今現在の機運は意気揚々と盛り上がっています。
「世界の工場」からの脱却はあるのでしょうか?

この「世界の工場」であることは、他の先進国にとっての大きなメリットを中国は与えてきました。

いつまでも貧乏くじを引くわけにも行かないという思いはあるでしょうが、個人的には「世界の工場」からの早急すぎる脱却を狙うと、舵取りを間違えれば自らの首を絞めることになりかねないのではないかと考えています。

中国が真の意味での先進国になろうとするならば、「下請」のままでいることなどできないのは当然の理屈なのだとは思いますが、急ぎすぎることは決してメリットにはならないでしょう。

中国のインテリ層は、「日本はアメリカの属国、付属国でしかない(その通りですが・・)」「中日関係は中米関係の一部でしかない」と言い放ち、現在ポジティブで自信満々の中国ですが、今後の動向は神のみぞ知ることでしょう。
アメリカもこのまま手をこまねているだけのはずもありません。

どちらにしろ、今後どのような動きになるのか世界中が注目しているのは間違いのないことです。

「平家を滅ぼすは平家」 敵はこの国自身にあるような気もします・・・
posted by マーキス at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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